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三星やLGの生産地移転が「不正行為」だと主張する米貿易委員長

三星やLGの生産地移転が「不正行為」だと主張する米貿易委員長

Posted March. 09, 2017 08:42,   

Updated March. 09, 2017 08:42

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米国家貿易委員会のピーター・ナバロ委員長は6日(現地時間)、全国企業経済協会の総会で、三星(サムスン)とLG電子に対して、「貿易不正行為(Trade cheating)をしている」と批判した。米国は今年初め、両社の中国産洗濯機について反ダンピング関税を課すことにしたが、中国工場ではなく、ベトナムやタイ工場で生産された製品を輸出することで、関税を回避したという。米国のワールプールが、韓国企業の「生産国移し」のため苦戦しているというナバロ委員長の指摘は、企業利益を代弁する人でなければ口にできない言葉だ。

米商務省と共に通商政策のコントロールタワーの役割を果たす貿易委員会の首長が、経済界の耳目が集中する席で、自国企業の肩を持つこともありうるだろう。しかし、その発言が非常識であり、外国企業の名誉を失墜させるものであれば、受け入れがたい。グローバル貿易環境が急変する中、人件費と技術力を追い求めて、企業が国境を行き来するのは一般的なことだ。たとえ、ダンピング判定が生産地を移転した理由であっても、経営上の判断について外国政府が口出しすることはできない。しかもトランプ大統領が、三星の米工場建設について、ツイッターに「ありがとう三星!」と書いたのが、先月3日のことである。1ヶ月ぶりで鞭を手にして、韓国企業を手なずけるとでもいうのか。

北朝鮮の核の脅威が高まっている状況の中、米国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)の早期配置に協力しながらも、経済分野で別の声を出すのは、韓米同盟を安全保障の手段としてのみ見ている可能性がある。米国は、1月の貿易赤字が5年ぶりに最大値へと拡大されたことをめぐり、保護貿易主義を強化する構えだ。しかし、韓米自由貿易協定(FTA)の影響で韓国企業の対米(對美)投資が増え、米国は韓国とのサービス貿易において大規模な黒字を出している。韓米同盟は、経済的繁栄を共有するという意味もある。

ナバロ委員長の三星、LGへの批判は、周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業通商資源部長官が米商務省長官などに会うために訪米中に出てきた。会談の成果とは別に、外交的欠礼といえる。米国が韓国を経済協力パートナーとして尊重しなければ、柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相が17日、G20財務相会議で、米財務長官に会っても変わることなどない。政府は、自国企業の盾にならなければならない。そうしてこそ、投資拡大や雇用創出を要求する名分が立つ。