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李在鎔氏の拘束、権力者が企業に金を要求する慣行をなくすべきだ

李在鎔氏の拘束、権力者が企業に金を要求する慣行をなくすべきだ

Posted February. 18, 2017 08:38,   

Updated February. 18, 2017 08:38

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三星(サムスン)電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が、崔順実(チェ・スンシル)被告と共謀した朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に430億ウォンの賄賂を提供した容疑などで、昨日急きょ拘束された。裁判所が先月19日、賄賂の証拠が不十分として拘束令状請求を棄却してから29日ぶりのことだ。韓政錫(ハン・ジョンソク)令状専従判事は、「新たに構成された犯罪容疑事実と追加収集された証拠資料等を総合すれば、拘束の事由や必要性が認められる」と明らかにした。貿易協会は、全体企業家たちへの韓国社会の否定的認識を拡大させ、起業家精神を大きく後退させることになるだろうという内容の声明を出した。

製造業全体営業利益の30%を占める三星の危機は、韓国経済の危機ともいえる。三星未来戦略室とグループ系列会社の代表を中心とした「ツートラック経営」が作動しても、大規模な買収合併(M&A)や支配構造再編、バイオ産業の育成など、グループ全体に影響を与える意思決定は、1審の判決が出る5月ごろまで中断される可能性が高い。直ちに大卒新入社員の公開採用日程も決められないのが現状だ。三星の経営空白が、若者たちの雇用にまで影響を及ぼしているわけだ。複数の外国メディアはすでに、李副会長の拘束は韓国財界に衝撃を与えるだろうという分析を出している。韓国経済の国際信用度が三星の変数によって、乱高下しかねない激変の時期を控えている。

過去に比べ、裁判所が李副会長に厳しい物差しを突きつけたのは、罪質がもっと悪かったというよりは、企業を見る社会の期待値が高まったためだろう。しかし、大統領が企業トップを3回も単独面談しながら、露骨に支援を要求する状況の中、これを断られる企業家が果たして現実に存在するかどうか疑問だ。それなのに、李副会長の拘束に、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)元代表や、安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道(チュンチョンナムド)知事、野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)元常任共同代表など、有力大統領選挙候補らは軒並み歓迎している。経済を心配する声を少しでも出すと、内心、票心に否定的だと思うらしい。

これから韓国社会は、政経癒着の輪を断ち切って、政治と財界との関係を完全に新たに確立しなければならない。全国経済人連合会など、財界団体を中心に行われてきた政治的性格の寄付を全面廃止する一方、政権も企業に対していかなる要求もしてはならない。そのためには、大統領選挙の候補者らから先に、企業活動には絶対介入しないという宣言でもする必要がある。三星の危機を災い転じて福となすきっかけにしなければならない。