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世界的な製造業好況の中でも韓国だけが低迷する理由

世界的な製造業好況の中でも韓国だけが低迷する理由

Posted February. 06, 2017 08:27,   

Updated February. 06, 2017 08:28

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グローバル製造業景気が約3年ぶりにピークを示しているのに対し、韓国だけが唯一低迷しているという統計が出た。米ブルームバーグ・インテリジェンスが集計した1月の購買担当者指数(PMI)によると、米国や日本、欧州などの先進諸国や中国までが製造業が拡大の一途を辿っているが、調査対象24カ国のうち、韓国やトルコ、ギリシャ、ブラジルだけが萎縮振りを見せている。PMIとは、毎月、企業購買担当役員へのアンケートを通して集計する景気指標だ。2014年6月から、「製造業革新3.0」政策を高らかに推進してきた韓国が、政情不安や景気後退が重なった3国と並んで、製造危機に見舞われている現実は信じられない。

韓国製造業の低迷は、需要とは関係なく物の値段が上がるコストインフレ圧力が6年ぶりに最高である上、不利な為替相場が大きな原因だという専門家らの指摘もある。しかし、政府や企業が、口先だけで「創造経済と一緒にする製造業の革新」を強調し、実質的革新は実現できなかったせいが大きい。

米国は2014年10月に製造革新の加速に向けた「新行政行動計画」を策定し、ドイツは2015年4月に「インダストリー4.0」戦略を、日本も2015年6月に「日本再興戦略」を未来投資や生産性革命に合わせて再編して成果を出しているのに、これらの国々より「政策発表」においてはリードしていた韓国は、造船や海運業の構造調整にすら果敢に踏み切れず、遅れて対処したために不健全さを膨らませた。昨年の韓国製造業の平均稼働率は72.4%で、1998年の通貨危機以降最低だった。さらに、保護貿易主義を掲げているトランプ政権の発足後、対外環境は一寸先も見通せないほど厳しい状況となっている。

昨日、現代(ヒョンデ)経済研究院は、「この数年間続いてきた低成長・物価安基調がピリオドを打ち、低成長・物価高基調へと移行する可能性がある」としたうえで、韓国経済はスタグフレーションに進入しかねないと警告した。グローバル競争においては韓国製造業が押され、国内ではスタグフレーションまで心配しなければならない暗鬱な状況に置かれている。

製造業をこのまま崩壊させないために、柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相は、3年前の「製造業革新3.0」資料を改めて几帳面に検討してほしい。机上でまとめた政策、大統領の前で報告したプレゼン資料の中で、何が現実とずれていて成果を出せなかったのか、冷静な成績表をつけなければならない。それでこそ、次にどんな政府が発足しても、大統領や国民を欺く掛け声だけの経済政策は姿を消すだろう。