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尋常でないトランプの対北圧迫、我々の準備はできているのか

尋常でないトランプの対北圧迫、我々の準備はできているのか

Posted February. 04, 2017 08:25,   

Updated February. 04, 2017 08:25

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ジェームズ・マティス米国防長官は昨日、「韓米同盟は、アジア太平洋地域の平和や安定を支える重要な柱だ」と語り、「いかなる核兵器の使用に対しても効果的かつ圧倒的に対応する」と明らかにした。就任後、初の歴訪地域として韓国を訪問したマティス長官は、韓民求(ハン・ミング)国防長官との会談で、サ-ド(THAAD・高高度ミサイル防衛システム)を計画通り配置することを再確認し、来月、韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」を強化して実施することに合意した。マティス長官が、韓米同盟を最優先に考えているというドナルド・トランプ米大統領の意を韓国側に伝えたことも鼓舞的だ。

トランプ大統領が、NATO(北大西洋条約機構)や欧州連合(EU)の効用に疑問を示すなど、国際社会との同盟関係を揺さぶる一方で、韓米同盟を強調するのは、それだけ北朝鮮の脅威が深刻なことを意味する。最近、米政府や議会、韓半島専門家の間では、北朝鮮への先制攻撃はもとより、北朝鮮政権の入れ替えや金正恩(キム・ジョンウン)の暗殺まで議論されるなど、強硬論が目立って強まっている。1994年も、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設への空爆の一歩手前まで行ったが、全面戦勃発や韓国が被るはずの莫大な被害への懸念のために取りやめたことがあったと見過ごすには、タカ派一色のトランプ政権の行動が尋常でない。

トランプ政府は、アジア太平洋地域の覇権に挑戦する中国とも外交的、経済的摩擦を辞さない構えだ。マティス長官が韓国に続き、日本を訪れたのも、韓半島を越えて対中牽制を議論する布石と言える。すぐに中国国営メディア「環球時報」は、「韓国米国の駒に転落した」ととんでもない難癖をつけた。金正恩の予告通り、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射に踏み切れば、米国が迎撃などの強硬対応に乗り出し、韓半島情勢があっという間に荒波に飲み込まれることもありうる。

国はピンチに立たされているのに、政治圏では、皆大統領選挙のことに気をとられている様子だ。野党圏では、トランプ政権の対北政策とは反対方向に回る動きが目立っている。北朝鮮の核脅威の度合いが変わっているのに、韓国人の安保認識はあまり変わっていない。峨山(アサン)政策研究院の最近の世論調査によると、北朝鮮が核実験に踏み切れば、瞬間的に安保状況に対する懸念が高まるが、急速に平時に戻るという。これでは、韓半島の運命が変わる状況を力なく見守ることになるのではないか気になる。