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中国産キムチを400億分も輸入しながら、5億ウォンの輸出で恩着せがましく振舞った政府

中国産キムチを400億分も輸入しながら、5億ウォンの輸出で恩着せがましく振舞った政府

Posted February. 03, 2017 08:37,   

Updated February. 03, 2017 08:37

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昨年、国内キムチメーカー各社が中国向けに輸出したキムチは44万1000ドル(約5億円)規模で、2015年の4倍に達したと、農林畜産食品部(農食品部)が昨日発表した。農食品部が当初の業務計画で示した目標(100万ドル)の半分にも満たない水準だ。目標を達成できなかった原因を探して、その代替案をまとめなければならないはずの農食品部だが、「業界と多角的に努力して、1992年の韓中国交正常化以来、最高の業績を上げた」という自画自賛の報道資料まで出した。

発酵食品である韓国産キムチから、大腸菌群が検出されたことを理由に、2012年から事実上輸入を禁止していた中国が、2015年、韓中首脳会談や韓中自由貿易協定(FTA)を機に、昨年から輸入を再開したのは前向きなことだ。しかし昨年、韓国が輸入した中国産キムチは1億2100万ドル(約1400億ウォン)で、中国向けキムチ輸出額の280倍もある。国内キムチ市場が中国産に食い込まれている状況なのに、微々たる輸出業績を強調するのは恥ずかしいことだ。韓中FTAを受け、中国産キムチに適用される関税率は、従来の20%から19.8%へと小幅下がったものの、1年間で輸入は7%以上も増えた。韓国キムチは好況ではなく、危機を迎えている。

サード(THAAD・高高度ミサイル防衛システム)配置によるとばっちりが、化粧品やサムゲタンに続き、キムチへと飛びかねないという懸念が高いが、政府の認識は安易すぎる。中国政府が公式的報復措置なしに、通関手続きを遅らせるだけで、韓国の輸出業者は、賞味期限が過ぎたキムチを廃棄しなければならない。にもかかわらず、農食品部はキムチだけは違うだろうという根拠のない楽観論に陥って、キムチ業界が輸出状況に鼓舞されているという内容の資料を出した。このような「管制広報」は、農食品部の金在水(キム・ジェス)長官を称えるためのものとしか受け止められない。

農食品部は、鳥インフルエンザ(AI)の発症時に、初期対応に失敗して、AIの全国的拡散を招いたという批判を受けた。キムチは農家や業界の死活のかかった問題だ。農食品部は、上辺だけの長官広報より、中身のある民間支援策作りに全力を上げなければならない。