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THAADで交錯する文在寅氏と潘基文氏、安保政策の検証が鍵だ

THAADで交錯する文在寅氏と潘基文氏、安保政策の検証が鍵だ

Posted January. 16, 2017 08:33,   

Updated January. 16, 2017 08:40

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潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が15日、京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)の海軍第2艦隊司令部を訪れ、高高度防衛ミサル(THAAD)配備問題について、「韓半島の現実はほぼ準戦時状態なので、政府がそのような措置を取るのは当然だ」と賛成の考えを明らかにした。これに先立ち、野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は13日、あるインタビューで、「THAAD問題を次の政府に送れば、国会批准を含む公論化過程を経て中国とロシアを説得する機会を得ることができる」と述べた。THAAD配備問題をめぐって支持率1、2位の大統領候補が異なる主張をしている。

慶尚北道星州(キョンサンプクト・ソンジュ)にTHAADを1砲台配備したからといって北朝鮮の核・ミサイル脅威から韓国の領空の安全が保障されるわけではない。しかし、THAAD配備は韓国の安保と直結する。大韓民国の安保の根幹である韓米同盟を固く結ぶ「リンチピン」のようなものだからだ。トランプ次期政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)に起用されたマイケル・フリン氏は先月20日、韓国政府代表団と会って、「THAAD配備は韓米同盟の堅固さを象徴するもの」と釘を刺した。北朝鮮の脅威から在韓米軍を保護するためのTHAADに反対することは、韓米同盟の根幹を揺さぶることだ。

現政権が米国とTHAAD配備に合意して場所まで選定した状態でこの問題を再び次期政府に送るという文氏の主張は、それゆえ不安だ。THAAD配備に強く反発する中国とロシアを説得するということも理想論だ。文氏はインタビューで、「韓米同盟と在韓米軍は韓国にとっても重要だが、米国の世界戦略にも役立つ」と主張した。しかし、実利を重視するトランプ次期大統領もそのように考えるのか、文氏は支持率1位の大統領候補として責任ある返答をする義務がある。

 

潘氏に国民が最も期待するのは、外交安保の経験だ。しかし、潘氏が15日、国連事務総長時代を振り返って、「韓国と北朝鮮の統一問題で貢献する機会が多くなかった」と遺憾を表明したように見せたことはあまりない。潘氏は、「経済は修正もできるが、安保は一度やられれば2回目はない」とし、「経済よりも安保優先」を掲げているが、国民が安心できる安保ビジョンを示さなければならない。

10日経てば旧正月の連休が始まる。たいてい大統領選の民心はその前年の秋夕(チュソク、陰暦の8月15日)かその年の旧正月に大きく動く。2007年、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンへ)候補の支持率が交差したのは2006年の秋夕だった。特に、今のように外交安保の危機状況では、どの候補が安心して国を任せられるのか甲論乙駁が飛び交うだろう。各候補は、旧正月を前に明確な安保政策から提示することを望む。有権者も大統領候補の安保思想を注視しなければならない。ただでさえ早期大統領選の実施が予想される状況で、国の命運がかかった安保思想の検証に時間がない。