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5・18光州でのヘリコプターからの小銃射撃

5・18光州でのヘリコプターからの小銃射撃

Posted January. 14, 2017 08:49,   

Updated January. 14, 2017 08:49

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5・18光州(クァンジュ)民主化運動当時、「ヘリコプター射撃」の主張が憤りを招いたのは、軍が市民に向けヘリコプターに搭載された機関銃を撃ったと思ったからだ。12日、国立科学捜査研究所(国科捜)が光州市錦南路(クムナムロ)のチョンイルビルの弾痕を鑑識した結果、この弾痕は5.56ミリ程度の口径の銃によるものであることが明らかになった。国科捜は、M16自動小銃から発射されたものと推定している。5.18当時に使用されたUH-1機種と500MD機種のヘリコプターには、7.62ミリ口径以上の機関銃が搭載されていた。ヘリコプターから機関銃ではなく、小銃を撃ったなら、本来、問題となった理由とは少し程遠くなる。

◆検察は、1995年の5.18捜査当時、ヘリコプター機銃射撃の目撃者といわれているチョ・ビオ神父とアーノルド・ピーターソン宣教師を呼んで取り調べを行った。しかし、チョ神父が被害者と名指したホン・ラン氏は建物の屋上にあった戒厳軍の小銃射撃によってけがをし、別の被害者であるシム・ドンソン氏は検視調書の確認結果、M16小銃による貫通傷であることが判明された。ピーターソン牧師が撮影したヘリコプターの下部の光の写真は、機関銃射撃の光ではなく衝突防止ランプの光と確認された。検察は、ヘリコプター機銃射撃はなかったと結論付けた。

◆国科捜は、チョンイルビル10階のオフィスや外壁で見つかった弾痕は、銃弾痕跡の角度が水平に近いこと、1980年当時、周辺に高層ビルがなかったことなどを根拠にヘリコプターから撃ったものと推定している。しかし、激しく揺れるヘリコプターでは、ホバリング(空中停止)の状態であっても小銃で目標を当てるのは難しい。ヘリコプターに機関銃が搭載されているのに、本当に撃つ気があったなら、機関銃ではなく小銃を撃ったという話も、なんだか腑に落ちない。

◆もちろん、小銃とはいえ、軍が市民に向け銃を撃った責任が軽減されるわけではない。軍隊で訓練を受ければ、ヘリコプターの威力がどれだけすごいのかがわかる。対抗軍のヘリコプターが1機が出撃すれば、「タンゲ(歩兵)」は、どこも隠れるところがないという無力感に陥る。戒厳軍が高層から、抵抗する市民軍を制圧するためにヘリコプターを飛ばせ、もし空中に無防備に露出された道端の市民に向けて銃を撃ったなら、それこそ反人倫的行為と言わざるを得ない。