Go to contents

[社説]米露核競争の兆し、北朝鮮の核への対応に変化をもたらすか

[社説]米露核競争の兆し、北朝鮮の核への対応に変化をもたらすか

Posted December. 24, 2016 08:11,   

Updated December. 24, 2016 08:33

한국어

世界の2大核強国である米国とロシアが22日(現地時間)、核戦力を強化する方針を同時に明らかにし、波紋を呼んでいる。米国のトランプ次期大統領は同日、ツイッターで、「世界の核に関する良識が戻るまで、米国は核能力を大いに強化・拡大する必要がある」と明らかにした。これに先立ち、ロシアのプーチン大統領が国防関連の演説で、「戦略核兵器部隊の戦闘力を強化しなければならない」と主張したことへの反応だった。政権移行チームの報道担当のジェイソン・ミラー氏は、「不良政権に核兵器が入ることを阻止しなければならないという意味だ」と急いで鎮火に乗り出したが、米露が冷戦時代の核兵器競争体制に回帰するのではないか懸念されている。

トランプ氏は、大統領選で、「米軍の核兵器計画は後れを取っていて老朽化している」とし、核戦力の強化を一貫して主張してきた。プーチン大統領も今年10月、「米国のロシアに対する非友好的な行動で戦略的安定性への脅威が生じている」とし、核兵器競争も辞さない考えを示した。トランプ氏の予測不可能な行動とプーチン大統領の好戦性がスパークを起こし、オバマ大統領が2009年から推進してきた「核なき世界」政策は動力を失う可能性が高まった。

現在、米国は約7100個、ロシアは約7300個の核兵器を保有している。文明世界を石器時代に引き戻すこともできる途方もない規模だ。オバマ大統領は「核なき世界」への努力でノーベル平和賞を受賞した。それが国際社会の理想だが、ロシアが核戦力を強化する状況で、米国が傍観していることはできないだろう。米露が核兵器競争をするなら、北朝鮮が国際情勢の急激な変化に乗じて核能力の高度化に邁進するかもしれない。

韓国としては、韓半島非核化努力が失敗に終わる場合に備えて、自衛的対策を至急講じなければならない。トランプ氏は、大統領選期間に日韓の核武装を容認する考えを示した。戦術核を韓半島に再配備することもできる。米国の核政策の変化が北朝鮮の核抑止と韓半島の安保にどのような影響を及ぼすのか、日米韓の緊密な協議と備えが必要だ。



ハン・ギフン記者 eligius@donga.com