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[社説]米貿易委員長に保護貿易論者、米FTAの再交渉に備えるべきだ

[社説]米貿易委員長に保護貿易論者、米FTAの再交渉に備えるべきだ

Posted December. 23, 2016 08:29,   

Updated December. 23, 2016 08:30

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ドナルド・トランプ米次期大統領が、新設貿易政策専従機構である国家貿易委員会(NTC)の委員長に、対中強硬論者であるピーター・ナヴァロ・カリフォルニア州立大学教授を内定した。ナヴァロ内定者は、米国が中国と経済戦争を戦っている中、米国は中国に対してより攻撃的な性向を見せてこそ、自国の利益を最大化できるという論理で、トランプの心を虜にした。次期商務長官で「企業ハンター」とも言われているウィルバー・ロスと共に、トランプ時代の保護貿易主義政策を主導する二輪が出来上がった。

トランプ政権引継ぎチームは、ナヴァロ次期長官を、「先見の明の優れた経済学者」と描写しながら、氏の政策で米国の貿易赤字は減り、成長率は上がり、雇用は増えるだろうと自評した。しかし、米経済の対外依存度が高まっている状況の中、保護貿易主義は、米企業の輸出を減らすブーメランとなって戻ってくることもありうる。金利が上がる状況の中、トランプ政府が財政を動員したインフラ投資を拡大し、政府赤字が過度に膨らむと、米内需が再び低迷に陥り、グローバル危機を招く可能性もある。このようなリスクが高いのに、トランプ政府は、「米国を再び偉大に」というスローガンの下、一丸となっており、対米貿易黒字の大きい国々の懸念が膨らんでいる。

米国が「タカ派」の強硬論者で通商ラインを埋めたのは、米中貿易戦争だけでなく、韓米自由貿易協定(FTA)にも大きな変化を予告している。彼らは皆、韓米自由貿易協定の見直しの必要性を強調しているだけに、トランプ政府発足後、米国が自動車分野の関税率調整や法律、医療サービス分野の門戸開放を要求してくることもありうる。韓国は、韓米FTAの4年間の効果を産業別に分析し、再交渉に備えなければならない。現状でも2017年の経済成長率は当初の予測値である2.8%より低い2%台前半や半ばに下がる可能性が高い。来年、米国の通商圧迫で輸出まで大幅に減ることになれば、その時になっては手を打つことすらできないだろう。

韓国政府が対外リスクに備える方法は、24時間のモニタリングや外貨資金市場の安定措置、原材料需給状況の点検ぐらいだ。このような事後対応だけで、果たして米国発貿易戦争を克服できるか疑問だ。政府は、保護貿易主義時代に適した通商戦略を含めた先制的危機管理策を、来年の経済政策に盛り込まなければならない。