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[社説]R&D予算で遊覧し基礎研究を冷遇してノーベル賞を望むのか

[社説]R&D予算で遊覧し基礎研究を冷遇してノーベル賞を望むのか

Posted October. 14, 2016 08:30,   

Updated October. 14, 2016 09:51

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2015~2016年、未来創造科学部の基礎源泉研究開発(R&D)事業予算で海外出張をした一部の大学と民間企業の研究員が、形式的な報告書だけ出し、プライベートな日程を加えたり出張のテーマに関係のないところに訪問する遊覧性の出張をした。与党セヌリ党の金在庚(キム・ジェギョン)議員が、海外出張報告書658件を分析した結果、54件で問題があった。国民の税金がこのように無駄に使われているにもかかわらず、評価主体の韓国研究財団は1件も摘発できなかった。

韓国の国家総R&D規模は2014年に63兆7341億ウォンで世界6位、国内総生産(GDP)対比では4.3%で世界1位だ。しかし、先月、国内の有名科学者40人は、「政府が持続的に研究開発費の投資を拡大しているにもかかわらず、基礎研究はますます萎縮する危機的状況にある」とし、R&D予算の樹立と執行を抜本的に変えるよう請願書を国会に出した。請願書に名前を連ねた科学者は494人、オンラインで参加した国内外科学者は1498人だった。外形的なR&D規模とは違って、基礎研究が背を向けられる現実に科学者が一度に怒りの声を出したのだ。

基礎科学者は、総R&D予算のうちせいぜい6%だけ研究者が望む創意的な研究に配分されると指摘する。それさえも自由公募の基礎研究支援費は5000万ウォン以下が件数で80%にのぼり、研究室の大学院生の人件費も払えないのが実情だ。件数で6%にすぎない10億ウォン以上の課題に総R&Dの60%以上が投資され、偏りもひどい。

韓国の経済規模に比べてR&D資金は豊かだというが、適材適所に配分されず、分け合うだけで集中と効率から出る成果とは程遠い。科学ジャーナル「ネイチャー」が韓国の科学研究支援について、「金で勝負しようとする」と指摘するほどだ。一部の研究者が、R&D資金を自由に使える金と考えるモラルハザードは根絶しなければならない。毎年ノーベル賞受賞者の発表時期になると、なぜ韓国は受賞者を出すことができないのかという嘆きが止まらない。R&D資金が基礎研究に十分に輸血され、徹底して執行されるかをまずチェックしなければ、成果は出ない。