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[社説]ギャラクシーノート7の生産中止が三星や韓国経済に及ぼす影響

[社説]ギャラクシーノート7の生産中止が三星や韓国経済に及ぼす影響

Posted October. 11, 2016 07:56,   

Updated October. 11, 2016 07:59

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バッテリーを交換しても米国で5件の発火の届けがあった三星(サムスン)電子のスマートフォン「ギャラクシーノート7」に、生産中止の措置が下された。三星電子は10日、韓国取引所の照会公示要求に対し、「最近、ギャラクシーノート7の発火により、精密調査や品質管理の強化に向け、供給台数を調整している」と回答した。ギャラクシーノート7の発売開始から52日目のことであり、ノート7のバッテリー爆発事故で全ての製品のリコール決定から38日ぶりのことだ。米4大モバイル通信会社のうち2位であるAT&Tと3位のT-モバイルは、ギャラクシーノート7の販売や交換を全面中止し、国内モバイル通信3社も同様の措置は避けられない見通しだ。

三星電子無線事業部の高東眞(コ・ドンジン)社長は、発火原因として三星SDIが生産したバッテリーに問題があったと判断し、速やかにリコールに踏み切った。しかし、バッテリーを交換した新製品から火が出たのは、設計や製造、ソフトウェア上の問題かもしれないことを示唆している。最近の発火が充電中ではなく、移動中に起きた事故だということは、このような可能性を裏付けている。三星が原因をきちんと診断せず、急いで問題に決着をつけようとしたことが招いた惨事といえよう。

三星電子は、2013年に史上最大規模の業績を上げた後、2014年に営業利益を大幅に減った時から、危機は予見されていた。改革を叫びながら、コスト削減のための人材構造調整、先頭企業に追従する技術開発にこだわっただけに、「ファーストムーバー」になろうとする革新や兆戦は足りなかった。世界を舞台に走る企業はいつでも、危機に陥りかねない。しかし、今の三星の危機は、最も自信のおける製品で、全く予期せぬ形で見舞われたものであり、大きな衝撃である。

韓国経済で三星電子の売上が占める割合は13.8%で、主要先進国の主力売上比重に比べても極めて高い。三星電子が揺らげば、韓国経済が揺らぐという言葉は過言ではない。三星電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は、1995年に電子製品の不良率が改善されなかった時、韓国全土の代理店から携帯電話やファクシミリなどを全て回収して、欧米事業所のグラウンドで燃やす火刑式を行った。三星は21年ぶりに再び苦しい火刑式でもやって、消費者らの信頼を回復し、泥沼から抜け出さなければならない。