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北朝鮮、「屑鉄廃棄」の見返りに「制裁解除」に固執しては孤立と自滅だけだ

北朝鮮、「屑鉄廃棄」の見返りに「制裁解除」に固執しては孤立と自滅だけだ

Posted March. 02, 2019 07:36,   

Updated March. 02, 2019 07:36

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北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、米朝ハノイ首脳会談の決裂の理由について、1日未明に記者会見を要望し、北朝鮮が要求したのはトランプ米大統領が明らかにした全面的な制裁解除ではなく一部解除だと主張した。2016~17年に採択された国連制裁決議5件のうち民需経済と人民の生活に支障を与える項目だけ先に解除することを要求したということだ。また、「米側が寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄のほかにさらに一つしなければならないと最後まで主張した」と述べた。

北朝鮮の主張は、会談決裂の原因が自分たちではなく米国の過度な要求のためということだが、納得しがたい。北朝鮮は、一部解除を要求したとしても、それは事実上、全面解除の要求と相違にない。16年に北朝鮮の相次ぐ核実験と長距離ミサイル挑発に対抗して採択された一連の国連制裁は、北朝鮮の鉱物輸出を禁止し、外貨収入を断ち、原油・清製油に上限ラインを設ける内容だ。北朝鮮が民需経済と国民生活の支障を掲げて一部解除だけ要求するというが、そこには事実上、多くの制裁が含まれる。これらの制裁を解く場合、国際社会は北朝鮮を非核化に牽引する手段をほぼ失うことになり、北朝鮮に流入する現金はそのまま核開発の資金に使われる恐れがある。

そのうえ、北朝鮮が制裁解除との交換を要求したのは「施設廃棄」に限定された。すでに保有する核弾頭と核物質はそのままにし、追加生産だけしないということだが、これは非核化ではなく核凍結にすぎない。さらに北朝鮮は、トランプ氏が寧辺廃棄のほかに要求した追加的措置、すなわち秘密核施設に対する措置も拒否した。そのために金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の非核化の意思が根本的に疑いを受けるのだ。トランプ氏は談判決裂後にハノイを発ち、「私は『本当の(非核化)計画』がなければ制裁を放棄することを望まない。彼らはそれ(本当の非核化)に対する準備ができていなかった」と強調した。トランプ氏としては、核凍結、それも寧辺の廃棄された鉄の塊の爆破ショーに金正恩政権の金の流れを解く「悪い取引」はできなかったという説明だ。

首脳間の談判の決裂にもかかわらず、米朝いずれも相手に対する非難攻勢を自制し、追加交渉を期待するムードであるのは幸いだ。しかし、李氏は1日、「寧辺と制裁解除の交換の提案は、米国が再び交渉を提起しても少しも変わらないだろう」とし、崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は、「(金正恩)国務委員長同志が今後の朝米交渉に対して少し意欲を失われたのではないか・・・」と述べ、暗に警告した。北朝鮮がこのような態度に固執すれば、交渉の動力を蘇らせることは難しくなる。北朝鮮は、ハノイで門前払いを受けた提案は、いかなる場合でも国際社会が到底受け入れられないということを自覚しなければならない。時間は決して北朝鮮の味方ではない。金正恩氏が疲弊した国民の暮らしを心配するなら、大胆な非核化を通じて制裁解除の最低要件を満たさなければならない。それがなければ制裁と孤立の苦痛の中、核だけ抱えて救済不能の「ならず者国家」として生きることになるだけだ。