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グローバル企業は構造調整に乗り出したのに、逆走行する韓国

グローバル企業は構造調整に乗り出したのに、逆走行する韓国

Posted January. 21, 2019 08:58,   

Updated January. 21, 2019 08:58

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新年の初めから、世界的に人員削減の風が吹いている。米アップルの最高経営責任者であるティム・クックが、最近役員や従業員らに人員削減計画を明らかにしたのに続き、米電気自動車メーカー・テスラが18日、正社員の7%を削減すると発表した。自動車業界では昨年末、米ゼネラルモーターズ(GM)が大々的な構造調整に入って7つの工場稼動を中止し、1万5000人の人員を削減することにし、日本のトヨタと日産自動車、フォルクスワーゲン、ジャガーランドローバーなども同時多発的に「規模縮小」に乗り出した。

グローバル企業各社がこのように先制的に構造調整に踏み切ったのは、世界景気の低迷が懸念されているうえ、第4次産業革命のような産業パラダイムの変化で、未来への備えが切実だからだ。GMのメアリー・バーラ最高経営責任者は、「自動車産業が電気自動車や自律走行車などへと急速に変わっている」とし、「長期的な利益と売上創出能力を高め、市場変化に適応しなければならない」と宣言した。これを受け、GMはガソリン車の開発と生産分野を減らし、ソフトウェアや人工知能分野の専門家を二倍に増やすという。

韓国状況は世界的傾向とは裏腹である。史上最大業績をあげたトヨタが役員を半分に減らす組織改造に踏み切り、GMが過去最大業績を上げた翌日に大々的構造調整を発表したのに対し、業績不振から免れていない現代(ヒョンデ)自動車は、強気の労組に縛られて身動きが取れなくなっている。構造調整どころか、生産ラインを移そうとしても、労組の同意がなければ何もできない。

現代自動車だけではない。韓国企業はなかなか身動きが取れず、挑戦に積極的に対応するのが難しいのが状況である。硬直した制度と強気の労組のため、先制的な構造調整や未来への備えはできそうもないのが現状だ。韓国経営者総協会が最近252社を調査したところによると、72.2%が「昨年より労使関係が不安定になるだろう」と懸念した。景気低迷で企業経営業績は悪化しているのに、労組と社会の要求はますます高まっており、労使関係が不安だという。

企業各社は、政府方針に基づいて、非中核的分野まで正規職に転換しなければならないというプレッシャーを受けている。昨年、三星(サムスン)電子、LG電子などが数千人の従業員を直接雇ったのも、長期的には負担になりかねない。景気が悪いからと言って、人員削減だけが能ではない。ただ、激しいグローバル競争の中で企業が生き残るためには、経営の自律性を発揮できなければならない。

政府与党は年明けから、我先に企業家に会い、企業現場を訪れるなど、経済活性化と雇用創出のために努めている。言葉だけで「企業しやすい環境」を叫ぶのではなく、企業を締め付ける制度と環境から先に整備しなければならない。他の国の企業が空を飛ぶ間、足首にロープをぐるぐる巻いて二人三脚の試合をしては、企業自体の生存が不透明になる。「一緒に豊かに暮らそう」と主張しては、やや下手をすれば一緒に滅びることを心配することになるかもしれない。