Go to contents

金正恩氏、習近平主席にしがみついても非核化以外に迂迴路はない

金正恩氏、習近平主席にしがみついても非核化以外に迂迴路はない

Posted January. 09, 2019 08:29,   

Updated January. 09, 2019 08:29

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が8日、中国を訪れ、習近平主席と首脳会談を行った。昨年の3度の訪中に続く4度目の訪問だ。トランプ米大統領が最近、「2回目の米朝首脳会談の場所が近く発表されるだろう」と明らかにしたが、顕著な実現の動きが見えない状況で、先に米国に対してこれ見よがしに中国との連帯を誇示する親中外交を選択したのだ。

金委員長はすでに昨年に3度も中国を訪問した。そのため今年は中朝首脳間の交流は習氏の平壌(ピョンヤン)訪問になるという見方が多かったが、今回も金委員長が中国を訪れた。特に8日が金委員長の誕生日だったが、意に介さず中国指導部の祝いを受ける席に活用した。昨年初め、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の参加を機に対話の局面を開いたように、今年も年初から迅速な「主動的外交」で、韓半島情勢を主導する意欲を見せた。

金委員長の訪中は長年の血盟という中国から関係を堅固にし、これをテコにして対南、対米外交に乗り出すという策略だろう。昨年の3度の訪中は、4月の南北首脳会談の前、そして6月の米朝首脳会談の前と後になされた。このようなパターンを見ると、今回の訪中も、金委員長が米朝首脳会談に先立ち習氏と今後の対米交渉戦略を議論するための動きと見える。特に、貿易戦争の解決に向けた米中交渉が行われている中、中国を訪問して中国の北朝鮮に対する役割を浮か上がらせ、米国に対して関心を促す効果を狙った。

このように金委員長は2回目の米朝首脳会談を促すメッセージを送っているが、会談の実現までは難関が残っている。今、米朝間で対話が停滞した状態で、双方が制裁緩和と実質的な非核化履行を要求し、合意点を見出せずにいる。金委員長はいわゆる「新しい道」を強調し、制裁緩和のような相応の措置がなければ非核化から離脱し得るという警告も投じた。今度は中国をバックに別の道を選択できると米国に迫っているのだ。

しかし、このような態度は米国の警戒心を高めるだけだろう。これまで北朝鮮が無理強いをする度に、「中国背後説」を取り上げて牽制球を投げたトランプ氏だ。にもかかわらず、金委員長は、「平和体制に向けた多国間交渉」を推進するとし、中国の介入まで誘導している。貿易戦争の火消しに忙しい中国が積極的に取り組むはずもないが、これでは米国と国際社会の北朝鮮に対する鮮懐疑論を煽るだけだ。いくら習氏にしがみついても、非核化のほかに方法がないということを金委員長ははっきりと認識しなければならない。