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史上初の裁判官弾劾論まで…信頼危機を自ら招いた司法府の業報

史上初の裁判官弾劾論まで…信頼危機を自ら招いた司法府の業報

Posted November. 15, 2018 08:02,   

Updated November. 15, 2018 08:02

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大邱(テグ)地方法院地方法院(裁判所)安東(アンドン)支院の6人の判事が、裁判取引疑惑にかかわった裁判官に対する弾劾訴追を国会に要求することを提案した。彼らは、「裁判の独立を侵害する行為が違憲行為だったことを自ら国民に告白しなければならない」と明らかにした。現職の裁判官が、同僚裁判官の弾劾を求めたことは、司法史上初めてのことであり、決して軽く考えることはできない。19日に開かれる全国法官(裁判官)代表会議で初めての裁判官弾劾論が議論されれば、激論が繰り広げられるだろう。

高位裁判官を中心に「誤った先例になる可能性がある」という懸念と「国民の信頼が失墜している」という安東支院の判事の主張に共感する見解が衝突している。大統領弾劾のように国会の可決と憲法裁判所が最終結論を下さなければならない裁判官弾劾は、憲政史上例がない。問題は、金命洙(キム・ミョンス)大法院長(最高裁判所長官)が、5月の司法行政権乱用疑惑特別調査団の「刑事上、罪にならない」という結論を覆し、事実上、検察捜査を依頼したことで、潜んでいた裁判所内部の葛藤の溝が再び深まるほかないということだ。

検察は14日、法院行政処の林鍾憲(イム・ジョンホン)前次長を職権乱用などの疑いで起訴した。梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長時の司法行政権乱用と関連して、前・現職判事約80人が検察捜査を受けたことに続き、今後、梁氏や朴炳大(パク・ビョンデ)前大法官が検察に召還されるだろう。検察捜査の過程で関与した裁判官に対する相次ぐ令状棄却で、司法不信は最高潮に達し、林氏らの公正な裁判のために特別裁判所を導入しなければならないという要求に飛び火した。大法院が、違憲の素地を理由に反対し、ソウル地裁に裁判所を増設する代案まで設けたが、論議は終わっていない。司法府の位相を失墜させる初の出来事だ。

裁判取引疑惑にかかわった前・現職の高位裁判官が、司法の信頼を失墜させた責任は重い。裁判所が「国政運営を支える」という発想は、行政と司法を分離する憲法の精神に反し、裁判の信頼も貶めた。これまで外部の監視を受けず、温室の中にいた司法府が、検察捜査に続き、裁判官に対する国会弾劾訴追まで受けるかも知れない今の状況は、誰かの責任にするのではなく自ら招いた業報だ。