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非核化を吹き飛ばしたミサイル基地、それでも北朝鮮を代弁する大統領報道官

非核化を吹き飛ばしたミサイル基地、それでも北朝鮮を代弁する大統領報道官

Posted November. 14, 2018 08:34,   

Updated November. 14, 2018 08:34

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北朝鮮が閉鎖を約束した東倉里(トンチャンリ)にあるミサイルのエンジン実験施設のほかに報告されていないミサイル基地を運用していることが明らかになった。米シンクタンクの国際戦略問題研究所(CSIS)は、北朝鮮が北朝鮮全域に分散・配置した少なくとも13のミサイル基地が特定されたと発表した。これに先立ち米情報当局は今夏、北朝鮮が核物質の生産を継続していることを確認した。北朝鮮が追加の核・ミサイル実験を中止しただけで、核物質とミサイルの生産を続けていることが確認されたため、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の非核化の意思に対する国際社会の疑念はさらに強まった。

実際、CSISが公開した北朝鮮のミサイル基地は、韓米政府が軍事衛星などを通じて特定しながら明らかにされてこなかった。トランプ米大統領は6月のシンガポール首脳会談後、「北朝鮮の北ミサイルの脅威は消えた」と何度も宣言したが、約束を破ったという非難は避けられなくなった。中間選挙で下院の過半数を占めた民主党からは、「北朝鮮が核兵器と弾道ミサイル計画を中止する具体的な行動を取らない限り、米朝会談はできない」という声が出ている。当分の間、米国内では北朝鮮の非核化の意思に対する疑念が広がり、核交渉の膠着状態は長引くとみえる。

にもかかわらず韓国政府は、ミサイル基地の公開が及ぼす影響を最小化することに汲々としている。大統領府報道官は13日、「北朝鮮はミサイル基地の廃棄を約束したことはなく、基地を廃棄することが義務条項であるいかなる協定も結んでいない」と反論した。米シンクタンクとメディアの北朝鮮関連の発表・報道内容を大統領府報道官が、それも北朝鮮と勘違いするほどの強いトーンで反論したことも正常でないが、その内容も論理的ではない。北朝鮮がミサイル基地の閉鎖に関する公開の約束や協定を結んでいないことを知らずに米国の専門家やメディアが問題視するのではない。秘密ミサイル基地の運用が重要で懸念されるのは、正恩氏が非核化を決心して約束したという大前提が信頼されるには、ミサイルや核物質の生産が当然中止されなければならないためだ。

米国務省は12日、「正恩氏の約束には非核化と弾道ミサイル計画の廃棄が含まれる」と明らかにした。米国は、非核化の進展がなければ、来年春の韓米合同軍事演習を再開する可能性を日本政府に伝えたという。しかし北朝鮮は、5月末の豊渓里(プンゲリ)核実験の閉鎖、7月の東倉里ミサイル発射施設の一部解体の動き以降、数ヵ月間何の措置も取っていない。政府もこのような現実を直視しなければならない。秘密ミサイル実験場の運用は、北朝鮮を再び最悪の孤立に追い込み、制裁解除の議論そのものを封じ込める自己破壊の行為であることを正恩氏に分からせなければならない。