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新経済チーム、経済を再生できなければ「公正経済」は意味がない

新経済チーム、経済を再生できなければ「公正経済」は意味がない

Posted November. 10, 2018 08:50,   

Updated November. 10, 2018 08:50

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昨日、大統領府は、副首相兼企画財政部長官と大統領府政策室長を洪楠基(ホン・ナムギ)国務調整室長と金秀顯(キム・スヒョン)社会首席秘書官に入れ替える人事に踏み切った。洪楠基氏は旧経済企画院出身で色の強くない経済官僚という衆評である。金秀顯首席は、現政府の発足以来、不動産、脱原発、教育問題などを主導し、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で秘書官を2度務めた大統領選挙キャンプ出身で「王首席」と呼ばれる実力者だ。

経済ツートップの人事に踏み切った日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は政府、大統領府、財界の関係者たちが出席した公正経済戦略会議で「一緒に成し遂げた結果物は大企業集団に集中され、中小企業は一緒に成長できなかった」とし、「反則と特権、腐敗によって庶民経済は崩壊し、この過程で富の不平等が深刻化した」と批判した。文大統領は、過程における公正な競争を保障し、その結果として成長の果実を正当に分ける「公正経済」の推進を、所得主導成長、革新成長とともに3大政策柱の一つとして新経済チームに明らかに注文したのである。

新しい経済チームの前には、グローバル金融危機を経験した2008年以来最悪の雇用事情と製造業低迷によって経済の成長エンジンさえ侵食された悪材料が置かれている。公正経済は、経済発展の過程で必ず実現しなければならないが、経済危機が目前に迫っている状況の中、ややもすると企業にプレッシャーとして働く可能性もある。ただちに各企業が難色を示している協力利益共有制のような新たな規制が増えるという懸念が出ている。

1期目の経済チームの下で、規制緩和は与党と現政府の支持勢力に遮られ、所得主導成長は雇用惨事と分配悪化だけをもたらした。さらに経済副首相と政策室長との対立まで重なり、政策の不確実性だけが増幅された。しかし、今回も理念性向の強い非専門家を政策室長に起用することで、経済回復にも赤信号を与えるだろうと、市場と財界ではすでに懸念を示している。新しい経済チームは、1期目のチームの政策についての反省と点検から始めなければならない。そして韓国経済が直面している実情についての企業と現場の声に真剣に耳を傾ける必要がある。

大統領府は、経済政策は「副首相ワントップ」に総括し、政策室長は包容国家の大きな絵を描くと整理した。しかし、無難なスタイルである洪楠基候補の人選で、国政運営において大統領府への偏りが強化される可能性もある。ただでさえ、「大統領府の政府」という言葉が出るほど、国政が大統領府主導で運営されるという不満が官僚社会に潜伏している。李洛淵(イ・ナギョン)首相は経済分野においても、内閣を統括する役割で中心を維持し、そのような言葉が出てこないようにする必要がある。

新しい経済チームは、企業圧迫政策では雇用を増やすこともできず、経済の現状だけをさらに困難にするだけだという事実から覚えておく必要がある。消えていく成長エンジンを蘇らすためには、人だけを変えてはいけず、政策基調の転換が不可欠である。しかし、文大統領は、経済民主主義にドライブをかけて、このような期待に水を差した。経済政策だけは理念を排除し、実事求是を実践してこそ経済回復も可能である。