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欧州のCVIDの壁にぶつかった「制裁緩和」、遅れる北朝鮮核の時刻表

欧州のCVIDの壁にぶつかった「制裁緩和」、遅れる北朝鮮核の時刻表

Posted October. 22, 2018 08:55,   

Updated October. 22, 2018 08:55

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トランプ米大統領は20日、2度目の米朝首脳会談など北朝鮮問題の進展と関連して「急がない」と述べた。米政権の高官も、「首脳会談は来年1月1日以降になるようだ」と明らかにしたという。トランプ政権が会談を急がないのは、6月のシンガポール会談の際、日時を急いで確定した後に議題を調整したため、非核化が宣伝的レベルで合意文の末尾になる「惨敗」を経験したためだ。2度目の会談は、非核化の実質的進展が可能と確信される程度に実務交渉が進展した後に開くという考えだ。

米朝首脳会談が年内に開催されないなら、韓国政府が期待する年内の終戦宣言の採択も難しくなる可能性が高い。大統領府は遅くても11月中には米朝会談が開かれ、終戦宣言に意見が接近し、12月の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のソウル答礼訪問の前に南北米首脳会談を通じて終戦宣言を採択するという構想を持っていた。終戦宣言の採択で第一幕を終え、南北協力の本格化と非核化に向けた次の段階に移るという大統領府のシナリオは支障が避けられなくなった。

2度目の米朝会談が遅れる根本的理由は、北朝鮮が核放棄実行の第一歩を踏み出さないためだ。そのうえ北朝鮮は最近になって終戦宣言にこだわらないとし、制裁解除を要求してきた。そのような要求は非核化をさらにこじらせるだけなのできっぱりと一蹴し、核施設の申告および行程表の提示を説得しなければならないが、現実は正反対に向かっている。

文氏は9日間の欧州歴訪で、北朝鮮に対する制裁緩和の必要性を繰り返し強調した。大統領府は「制裁緩和を公論化する成果があった」と評価するが、実際は完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)に対する欧州諸国の明確な意思を確認し、壁にぶつかったと見るのが正しいだろう。もし非核化促進に向けてある程度の制裁緩和が避けられないと判断したとすれば、米国と膝を突き合わせて協議して説得し、北朝鮮の誤った判断と非核化意思の後退を最小化する戦略を設けるべきだった。他の安保理理事国に対して公開的に「反制裁連合戦線」を構築しようとする外交の動きを見せたことは適切でなかった。

大統領府は、米朝会談が延びても正恩氏の年内の答礼訪問は可能だと見ている。しかし、非核化が少しも履行されていない状態での正恩氏のソウル訪問に対して賛否の論議を激しくなる可能性がある。南北関係は非核化に関係なく動いてはならず、そうすることもできない。