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韓国で規制革新ができない理由をさらけ出したデータ議論

韓国で規制革新ができない理由をさらけ出したデータ議論

Posted September. 04, 2018 08:58,   

Updated September. 04, 2018 08:58

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案の定、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月31日に発表したデータ規制革新も難関にぶつかっている。与党「共に民主党」は大統領職直属の個人情報保護委員会(個保委)に各省庁の規制権限を移管して個保委を独立機関に拡大し、個人情報を一括管理しようとした。個保委の権限強化と拡大、独立化は、個人情報保護を強化すべきだという参与連帯など一部の市民団体の要求だ。ところが、放送通信委員会、行政安全部、金融委員会など、個人情報の主務省庁が反対したことで歯止めがかかった。

今回のことだけを見ても、一体なぜ、韓国で規制革新ができないのかが一目でわかる。大統領がいくら話しても、市民団体に振り回される政治圏、規制を天下の宝刀のように抱きしめる官僚などが微動だにしないからだ。規制革新という総論には賛成しても、各論に入ると、政治圏と官僚たちがあらゆる条件をつけて足を引っ張る慢性的な弊害をそのまま表わしている。

個人情報を活用したビッグデータは、金融や医療、公共分野で活用の可能性が無限だが、それだけ保護も重要である。このため、文大統領も規制革新案を発表し、個人を識別できないようにする仮名情報の生成は、厳格なセキュリティ設備を備えた国家指定の専門機関でのみ預かるようにした。しかし、韓国はスイス国際経営開発院(IMD)の2017年の調査で、ビッグデータの活用と分析レベルが63カ国のうち56位にとどまるほど、ビッグデータの後進国である。「第4次産業革命の原油」というデータ活用のために、個人情報の規制は、技術的に解決しなければならない時期である。

にもかかわらず、与党が規制組織である個保委の拡大から推進するのはつじつまが合わない。個人情報の保護だけを扱う個保委は、設立目的がデータ規制革新の目的と相反する組織だ。与党は、市民団体の反発をなだめるためにという論理を打ち出したが、結局データの規制革新案について、「資本論理に屈することだ」と主張する一部の市民団体の要求にかえって屈服したとしか言えない。

データ規制革新は、各界各層の人々が集まった大統領直属の第4次産業革命委員会と国会の第4次産業革命特別委員会の議論を通じて、社会的合意がなされた。もう残っていることは、与党が責任を持って反対する政治的支持勢力を説得することだ。大統領府は、官僚たちがこれ以上規制を抱き込むことができないように、強力なリーダーシップを発揮しなければならない。8月の国会可決が白紙化された銀産分離や規制フリーゾーン法案に続いて、データ規制革新案までが、遅々として進まない議論と攻防だけが続くことになれば、この国で規制改革の希望を見つけることはできないだろう。