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火種を残した憲法裁・大法院の裁判葛藤、立法で補完しなければ

火種を残した憲法裁・大法院の裁判葛藤、立法で補完しなければ

Posted August. 31, 2018 08:20,   

Updated August. 31, 2018 08:20

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憲法裁判所は30日、裁判所の裁判に対する憲法訴願を禁止した憲法裁法第68条第1項に対して合憲の決定を下した。憲法裁は、緊急措置被害の国家賠償請求訴訟で敗訴した白基玩(ペク・ギワン)統一問題研究所所長らが起こした憲法訴願54件を棄却し、国家賠償裁判の取り消し請求は却下した。「憲法裁が違憲と決定した法令を適用すれば、裁判も憲法訴願の対象だが、その他は対象にならない」という2016年4月の憲法裁の限定違憲の決定を確認したのだ。

憲法裁は13年3月、緊急措置発令に対して違憲決定を下したことがある。今回の決定では、緊急措置は違憲だが、大法院(最高裁)が違憲法令を適用したのではないため、国家賠償責任は成立しないと見た。憲法裁が裁判に対する訴願を例外的に許容する基準を再確認したことは意味がある。しかし、両機関の衝突の火種は残っている。棄却された54件のほかに、憲法裁が違憲決定した法令を適用した裁判訴願の事件が審理中だからだ。

特に、限定違憲決定の効力をめぐって両機関は衝突を繰り返した。限定違憲とは「~する限り違憲」というような変形決定だ。大法院は、ある法律規定に対して限定違憲が下されても、その法律を適用して裁判をする。限定違憲が出た事件の裁判訴願を認めれば、確定判決後、再審請求につながり、結局4審制も同じだという理由からだ。憲法裁の決定を大法院が認めなければ、執行する強制力がない。国民の権益保護のために望ましくない両機関の対立を防ぐ立法補完が切実だ。

創設30年を迎えた憲法裁は、与野党が妥協した産物だ。87年の憲法改正当時、大統領府と与党は、野党が裁判官推薦会議を放棄する代わりに新設する憲法裁に憲法訴願制度を導入することで合意した。しかし、当時、憲法訴願の審判対象から裁判を除く理由については十分な議論がなかった。30年間続いた司法システムの抜本的な変化が予想され、両機関の位相の変化などに歩調を合わせて、国民的合意を再び求める必要がある。

梁承泰(ヤン・スンテ)法院行政処が、憲法裁派遣判事を通じて裁判官の評議内容などの情報を引き出そうとしたことも、両機関の権限争いの延長線にある。しかし、裁判訴願の導入は両機関だけの問題ではなく、国民権益の保障とも密接にかかわる事案だ。憲法改正で両憲法機関の権限と関係を明確に設定する必要がある。その方向は、内輪もめの次元でなく国民の権利と自由を最大限保障できるような方向でなければならない。