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ブラックリスト関与130人に処罰勧告、公務員の「伏地不動」を招くだろう

ブラックリスト関与130人に処罰勧告、公務員の「伏地不動」を招くだろう

Posted June. 30, 2018 10:31,   

Updated June. 30, 2018 10:31

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文化芸術界ブラックリスト真相調査委が27日、前・現職の文化体育観光部(文体部)公務員と傘下の公共機関役職員のうち26人の捜査を依頼し、104人を懲戒処分するよう文体部に勧告した。130人の対象者名簿には、中下位の実務公務員や公共機関職員まで相当数含まれたという。文体部は、調査委の勧告を基に事実関係を確認した後、処罰の程度を最終確定すると明らかにした。しかし、調査委の共同委員長が文体部長官ということを考えると、結果がどれほど変わるか分からない。

真相調査委は、「高位職と下位職いずれも含まれ、対象者を見極める際、職級を基準にしなかった」と明らかにした。「受動的に指示に従った者」も懲戒勧告の対象にし、職級では事務官級や実務者級も含まれた。しかし、長官をはじめ政策決定者が指示すれば実務陣は拒否できないのが韓国の公職文化だ。政策を樹立して指示した高位職はいざしらず、現政権と路線が異なる過去の政府の指示に従ったという理由だけで実務陣に人事上の不利益を与え、さらに捜査依頼までするのは行き過ぎた処置だ。

特検や監査院、真相調査委などの調査を受けたのに続き、実務者まで含まれた処罰勧告が出され、文体部だけでなく公職社会にも反発ムードが広がっている。実際の処罰の有無に関係なく、調査委が指定した130人にはすでに「積弊」のレッテルが貼られた。公務員の身分を保証する重要な理由は、違法でない以上、政策実行の責任を問わず、政策が政権交代にも揺れることなく一貫性を維持することにある。

政権の意向による政策に参加したことが次の政権で問責の理由になるかも知れないという恐れが官僚社会に広がれば、公務員が「伏地不動(当然しなければならない事をしないでひたすら身を惜しむこと)」に陥るのは必至だ。現政権の脱原発推進が政権が変わった後に問責対象になるなら、どの公務員が積極的に遂行しようとするだろうか。3月末に歴史教科書国定化真相調査委が国定教科書に関与した公務員の捜査依頼と懲戒発表をした後、官僚社会にそのようなムードが広がると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「政府方針に従っただけの中下位の公職者に対しては不利益を与えてはならない」と明らかにした。大統領のガイドラインを意に介することなくブラックリスト調査委は実務公務員の処罰を勧告したのだ。政府がしなければならないことは、過去の政府の政策を遂行した公務員に対する大量処罰ではない。公職社会が監査や処罰を恐れて「右顧左眄(うこさべん、周りを気にして、なかなか決断を下さないこと)」せずに任務に邁進できるよう公職システムを改革することが緊急の課題だ。