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検警の捜査権調整、警察権を分散して政治の中立を確保しなければ

検警の捜査権調整、警察権を分散して政治の中立を確保しなければ

Posted June. 22, 2018 07:39,   

Updated June. 22, 2018 07:39

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検察の捜査指揮権を廃止し、警察に1次捜査権と捜査終結権を付与する検警捜査権調整合意案に21日、朴相基(パク・サンギ)法務部長官と金富謙(キム・ブギョム)行政安全部長官が署名した。容易でない国会立法過程を残してはいるが、捜査権をめぐって数十年間続いた検警葛藤が大枠で一段落する合意であることに相違ない。検察はこれまで起訴権のほかにもすべての事件に対する捜査指揮権、直接捜査権、捜査終結権を持っていた。もはや捜査指揮権はなくなり、直接捜査も制限され、捜査終結権も警察の送検事件に対してだけ持つことになる。

しかし、今回の合意案が検警捜査権調整の完成と見るには不十分な点がなくはない。令状請求権は、廃止が改憲事案という理由で検察に残された。ほとんどの主要な刑事事件捜査は家宅捜索や人身拘束のためには令状請求が必要だ。検察は、警察の申請を受け入れるかどうかによって捜査を統制することができる。また、検察の直接捜査権を制限するというが、腐敗犯罪、経済・金融犯罪、公職者犯罪、選挙犯罪など社会的な重要事件はほとんど検察に残る。

警察は、検察とは比較にならない膨大な組織と情報網を持っているうえ、今回独自捜査権まで持つことになり権力が肥大化した。ほとんどの先進国は、警察に捜査権を与える代わりに、国家警察と地方警察を分けて捜査権を分散している。現在、済州(チェジュ)で試験実施されている自治警察制で、自治警察は捜査権がない防犯隊員の役割にとどまっている。大統領直属の地方分権委員会は、「形だけの自治警察」を全国に拡大しても、警察権力の肥大化を防げないことを肝に銘じなければならない。

 

検警捜査権の調整に対して、検察からは捜査の司法統制が難しくなったという不満が、反対に警察からは実利は検察が全て得たという指摘が出ている。国民の立場では、警察で調査されたことを検察で再び調査されない事件が減るということ以外、大きな変化を感じにくい。検警が組織利己主義でせっかくの成果を元に戻してはならない。

国民に重要なことは捜査権がどこにあるかではなく、捜査の政治的中立性の確保だ。大統領が検察総長と警察庁長官を任命できる構造では、捜査権が検察にあっても警察にあっても国民には朝三暮四にすぎない。最近の警察の「ドゥルキング・コメント」捜査で見るように、生きた権力の顔色をうかがうのは検察と警察で違いはない。国会は立法過程で検警捜査権調整を議論することを機に大統領の検警総帥の任命を牽制する案も共に設けなければならない。