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トランプ氏の「二度とない一度だけの機会」、正恩氏は逃がすな

トランプ氏の「二度とない一度だけの機会」、正恩氏は逃がすな

Posted June. 11, 2018 08:02,   

Updated June. 11, 2018 08:02

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米朝首脳会談2日前の10日午後、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領が順にシンガポールに到着した。正恩氏は、シンガポールのリー・シェンロン首相と会談し、公式日程を始めた。これに先立ち、トランプ氏はシンガポールに出発して「北朝鮮を偉大にさせる機会は二度とない」とし、「一度だけの機会(one-time shot)」と強調した。

正恩氏のシンガポール訪問は、社会主義隣国の中国と南北中立地帯の板門店(パンムンジョム)を越えた「別の世界」への初の外出だ。冷戦時代、社会主義陣営の中で非同盟外交をした祖父の金日成(キム・イルソン)主席も、ただ中国、ロシアにだけに依存した父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記も試みることができなかった新しい外交の開始だ。シンガポールは政治世襲の権威主義体制だが、高度経済成長を編み出した資本主義開放国家という点で北朝鮮版改革・開放のモデルになることができる国だ。

正恩氏は今回、自分の老朽した専用機ではなく、中国最高位層の専用機を借りて利用する実用主義的な面を見せた。身の安全のために飛行中の便名や目的地を変えたり、自分の専用機3機を一緒に飛行させる作戦も展開したが、このような大胆な行動は、正常国家に変貌しようとする努力の一環と評価に値する。今回の外出が、世界で最も閉鎖的な「ならず者」国家を国際社会の堂々たる一員に変身させる巨大な方向転換の契機になることを期待する。

そのような新しい道は、米朝首脳会談で完全な非核化に合意してこそ開かれ得る。トランプ氏は「最小限の成果は、少なくとも私たちが会うということ」とし、出会いそのものに意味があると言って期待水準を低くした。しかし、今回の会談を控え、双方の特使の派遣による高官級対話はもとより密度ある実務交渉が行われたので、歴史的なビッグディールを成し遂げるのに十分な事前協議がなされたと見ることができる。

したがって、会談の成否は、「完全かつ検証可能で不可逆駅的な非核化」(CVID)をどれだけ具体的で明確に合意を成すかにかかっている。すべての核兵器と核物質、施設、能力まですべての核を完全に廃棄するという意思が合意文に明示されなければならない。また、核兵器不拡散条約(NPT)復帰による全面査察はもとより、いつどこでも不意の査察を許可して検証を受けなければならず、核開発人材の民間分野の再就職まで成し遂げて元に戻すことができない非核化を実現しなければならない。

さらに、このような非核化が一挙になされることはできないが、早期になされなければならない。特に初期に核兵器の海外搬出といった大胆な核放棄措置を成し遂げてこそ、その真剣さが認められ、6・25終戦宣言を出発点に米朝国交正常化、平和協定締結につながる体制保証も早めることができる。正恩氏は第一歩を踏み出した以上、速やかな非核化によって速やかな保証、さらには速やかな繁栄の道に進むことを願う。