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終戦宣言と米朝国交正常化を得たいなら、金正恩氏はCVIDの最終決断をせよ

終戦宣言と米朝国交正常化を得たいなら、金正恩氏はCVIDの最終決断をせよ

Posted June. 09, 2018 08:42,   

Updated June. 09, 2018 08:42

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シンガポール米朝首脳会談が3日後に迫ったが、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)に対する事前合意はまだなされていないようだ。トランプ米大統領は7日、「会談で終戦合意に署名できるだろう」とし、「それは本当に開始であり容易な部分だ。最も難しい部分がその次に残っている」と述べた。ポンペオ国務長官も、「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がCVIDのために決断を下すことを期待する」と強調した。CVIDに対する合意は依然として実現していないことを事実上、認めたのだ。

 

結局、米朝両国は体制保証の象徴的措置として終戦宣言をする案にかなりの意見の接近がなされたが、非核化完了の時期や核兵器の早期搬出などCVIDの核心内容の合意は、会談当日に両首脳間の談判に残されたようだ。そのためか、トランプ氏はアメとムチを同時に駆使した過去の姿を再び見せた。トランプ氏は、「私が会談後に『最大限の圧力』という言葉を再び使うことになれば、交渉がうまくいかなかったという意味だ。300を超える(新規制裁)リストを持っている」と警告した。交渉がうまくいかなければ席を立つ準備ができているという言葉も繰り返した。

アメも出した。トランプ氏は会談がうまくいけば、正恩氏をホワイトハウスに招待できるとし、「米朝関係の正常化は私が願うこと」と述べた。ただ「全てが完了した時」とし、非核化完了が前提条件であることを強調した。ポンペオ氏は、首脳会談結果の米議会承認を推進すると明らかにした。米政権が変わっても体制保証は持続することを保証するということだ。さらにポンペオ氏は、「首脳会談が成功すれば、日本、韓国、中国など多くの国家が対北経済支援に参加することになるだろう」と強調した。

安定した体制保証と米朝国交正常化、ホワイトハウス訪問、経済支援といった花道が正恩氏の前に提示されたのだ。にもかかわらず正恩氏は「韓半島非核化」を云々するだけで、CVIDに対する確言を拒否し、旧態依然な「段階的非核化論」にこだわっている。正恩氏が「非核化に最大限時間をかけ、核兵器を隠したまま経済建設する」という古い戦術思考のままなら、自らを孤立と自滅に導く手法になるだろう。

トランプ氏も完全な非核化に対する合意がなされていない状態でのイベント性の終戦宣言は慎重に判断しなければならない。韓国を排除した米朝間の終戦宣言は適切でなく、平和協定へのロードマップが明確に用意されていない状態では副作用を生むほかない。