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改めて「生物・化学兵器の廃棄」を強調した米国、非核化の目標値で妥協はない

改めて「生物・化学兵器の廃棄」を強調した米国、非核化の目標値で妥協はない

Posted May. 30, 2018 08:21,   

Updated May. 30, 2018 08:21

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シンガポール米朝首脳会談を2週間後に控えた29日、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長が北京に到着した。金氏は今日、ワシントンに向かい、ポンペオ米国務長官と高官級会談を行う。米国のソン・キム駐フィリッピン大使と北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官の板門店(パンムンジョム)交渉、米国のヘイギン大統領首席補佐官代理と北朝鮮のキム・チャンソン国務委員会部長のシンガポール交渉など、同時多発的に米朝間交渉が展開しているのだ。

米朝交渉がスピード感を持って行われ、トランプ政権は29日に予定していた新たな対北制裁案の発表を無期延期にしたという。トランプ氏は、「残された時間が不十分」という参謀陣の懸念にもかかわらず、6月12日の会談開催が支障なく実現するようホワイトハウスと政権を強く促していると、CNNは報じた。

こうした中、29日にホワイトハウスは、「北朝鮮の核兵器と生物・化学兵器、弾道ミサイル計画の完全かつ永久的な廃棄の達成が緊要な事項」と明らかにした。ポンペオ国務長官が2日に提起し、北朝鮮が対話拒否の態度を見せた後は取り上げていない「PVID(永久的かつ検証可能で不可逆的な非核化)」概念が「完全かつ永久的な」というさらに高まった基準値で復活したのだ。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が今月初め、生物・化学兵器も廃棄の対象になるべきだと主張したことに対しても、トランプ氏は米国の公式の立場と確認した。このような緊迫した動きは、シンガポール会談の成功にすべての力を投じるものの、非核化の基準は絶対に妥協したり下げたりしないというトランプ政権の立場を明確に示す。

北朝鮮は今月初め、PVIDと生物・化学兵器が議論されるや強く反発し、南北高官級会談の延期や米朝実務接触に向けた米側の連絡に対する応答拒絶など、対話拒否の姿勢を見せた。労働新聞が29日、「米国は会談を望むなら韓米合同軍事演習を中止しなければならない」とし、8月に予定された乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)演習を問題視したことを見ると、北朝鮮も神経戦に出る可能性が高い。

シンガポール会談の成功に向けた事前交渉と条件づくりに最善を尽くすものの、非核化の目標値は妥協があってはならない。「永久的非核化」という表現を使おうが使うまいが、北朝鮮が再び核挑発の道に戻らないよう装置を設けることは、完全な非核化の核心要素だ。30ヵ所ほどの施設ですでに2500~5000トンを備蓄していると推定される北朝鮮の生物・化学兵器能力も完全に除去しなければならない。それが完全な非核化の基本であり、韓半島平和体制の構築の出発点だ。