Go to contents

金正恩氏に安全を保証し、カダフィの運命も警告したトランプ氏

金正恩氏に安全を保証し、カダフィの運命も警告したトランプ氏

Posted May. 19, 2018 08:26,   

Updated May. 19, 2018 08:26

한국어

北朝鮮の米朝首脳会談中止警告を受け、2日間発言を控えていたトランプ米大統領が17日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の安全を保証すると明言した。トランプ氏は「リビア・モデル」については「北朝鮮に対して考えているモデルは全く違う」と線を引いた。そして「多くの体制保証を提供する考えだ。金正恩氏は極めて強固な保護を得ることになるだろう」と話した。しかし「もし(非核化)合意が成立しなければ、リビア・モデルは十分にあり得る」と警告した

トランプ氏の発言は、北朝鮮が首脳会談の局面を壊さないよう管理する考えがうかがえる。リビア・モデルに極度のアレルギー反応を見せる北朝鮮をなだめるために、リビアのケースとは違って北朝鮮が非核化すれば体制を保証すると約束したのだ。これまでティラーソン前国務長官が、北朝鮮の政権交代、崩壊、吸収統一、侵攻を追求しないという「4No原則」を明らかにしたが、今やトランプ氏の口から強力な体制保証を提供するとはっきり述べたのだ。

特にトランプ氏は、リビア・モデルについて、「我々は(リビアの)カダフィ政権に『保護する。軍事力を与える。すべてのものを与える』と絶対言わなかった。我々はリビアを完全に破壊した」と説明した。カダフィ氏は核放棄6年後の2011年、中東の民主化運動の波の中、市民軍によって殺害された。果たしてトランプ氏がこのようなリビアの過去を正しく知って、今後北朝鮮内で体制危機が発生しても金正恩氏を保護すると発言したのか疑問だが、ともかく正恩氏を安心させるという意図は明らかのようだ。

ただ、トランプ氏は北朝鮮が非核化を拒否すればカダフィ氏のような惨めな運命を迎えるほかはないという警告も忘れなかった。非核化を成し遂げて韓国のように経済繁栄を享受するのか、さもなければ外部的軍事措置であれ内部的市民革命であれ最後に直面するのかの二者択一ということだ。トランプ氏は、中国の習近平国家主席が金正恩氏の急変をそそのかしたのではないかという疑念を強く示しながらも、変わったことはないと述べた。

北朝鮮は、来月12日に米朝首脳会談が開かれるまで、何としてもより多くの譲歩を引き出すために様々な交渉戦術を駆使するだろう。そのために韓米定例合同演習や脱北者の発言を問題視して南北対話まで中断させた。これに対して米国は、ひとまず忍耐を持って調整に出た模様だ。交渉は取引ということを誰よりもよく知るトランプ氏だからだ。トランプ氏の予測不可能性を十分よく知る金正恩氏が適切な判断をしなければならない時だ。