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米国務省の電撃訪朝の直前に「北核永久廃棄」、圧力をかけたトランプ氏

米国務省の電撃訪朝の直前に「北核永久廃棄」、圧力をかけたトランプ氏

Posted May. 10, 2018 08:46,   

Updated May. 10, 2018 08:46

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ポンペオ米国務長官が9日、平壌(ピョンヤン)を訪問した。先月初めの極秘訪朝に続いて2度目だ。ポンペオ氏は今回の訪朝で、米朝首脳会談の場所と日時を確定し、北朝鮮に拘束された韓国系米国市民3人と共に帰国するという。ポンペオ氏の平壌到着直前、トランプ米大統領はイラン核合意からの離脱を公式に宣言した。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、「不十分な合意は受け入れられないという明確な信号を北朝鮮に送った」と強調した。

トランプ氏はこれまでツイッターを通じて、「米朝首脳会談の場所と日時が決まった」としつつも、発表を先延ばしにした。一方で、ポンペオ氏を北朝鮮に送って拘束された米国市民3人の解放と共に、イラン核合意からの離脱を通じて北朝鮮の非核化の要求を強化した。交渉のテーブルを設ける前に北朝鮮から受け取るものは先に受け取り、今後の交渉の目標まで引き上げたのだ。

特に、イラン核合意からの離脱は、ボルトン氏の言葉通り「北朝鮮との本当の交渉を望む」という断固たる北朝鮮への圧力用だ。ボルトン氏は1992年の韓半島非核化共同宣言に戻って、核燃料サイクルの完全除去、核兵器ウラン濃縮とプルトニウム再処理禁止だけでなく「他の要求もある」とまで述べた。それは、トランプ氏が「史上最悪の合意」と指摘してきたイラン核合意、特に核開発制限の期限規定のような不完全な合意の問題を示すものとみられる。

2015年の核合意によってイランは低濃縮ウランだけ保有でき、遠心分離機も3分の1に減らすことになった。しかし、このような規制は10~15年で終わる期限付きなので、この期間が過ぎればイランは再び核開発に出るとトランプ氏は主張してきた。北朝鮮に「完全な非核化」(CVID)から「永久的な非核化」(PVID)に圧力を強めた理由もここにある。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がポンペオ氏の訪朝の前に中国を電撃訪問して習近平主席に会ったのは、このような米国の圧力に対抗する支援が必要だったためだろう。正恩氏は習氏に会って、「段階的・同時的措置」を繰り返し強調し、支援を要請した。しかし、ポンペオ氏は訪朝の際、記者団に、「私たちは細分化しない」とし、北朝鮮の時間稼ぎは受け入れられない考えを明確にした。ポンペオ氏の訪朝で米朝首脳会談の開催が公式化されれば、米国が要求する非核化と北朝鮮が要求する体制保障をめぐって両者は本格的なロードマップ交渉に入るだろう。事実上、合意文の署名式になる首脳会談までを期限とした本ゲームがようやく始まる。