Go to contents

アルゼンチンの涙

Posted May. 10, 2018 08:44,   

Updated May. 10, 2018 08:44

한국어

アルゼンチンは牛を売って、世界5位の経済大国になった国だ。1900年を前後して冷凍船が発明された。同じ時期に発明された鉄条網を「パンパ」という大平原上に巡らせておいて牛を放てば、牛は一人で食べて育ち、ちょうど開発ブームに乗った鉄道網を通じて欧州や米国に輸出されることになった。冷凍船、鉄条網、鉄道の3大発明が、アルゼンチンの牛を最近の韓国の半導体のような輸出ブルーチップとさせたのである。東南アジアの人材が最近、韓国に押し寄せているように、イタリアから豊かな国、アルゼンチンに出稼ぎに行った母を訪ねて行く少年マルコの涙ぐましい物語「母をたずねて三千里」の背景がこの時代である。

◆大規模な牧場と農産物農場で起きた富の過度な偏りは、社会的対立や混乱を招き、軍事クーデターと左翼政権が交互に起きた。そんな中、1946年にフアン・ペロンが大統領に当選され、俳優出身エバ・ペロンは27歳の年齢で大統領夫人になる。「アルゼンチンよ泣かないで(Do not Cry For Me Argentina)」の主人公「エビータ」である。労働者中心の政策を展開して庶民の聖女、一方ではポピュリズムの代名詞と呼ばれた。

◆主要外信が8日(現地時間)、アルゼンチンが国際通貨基金(IMF)と300億ドルの救済融資を受けるための交渉を開始したと報じた。米国が金利引き上げに踏み切ると、この国からドルが流れ出て、ペソが急落し、物価が高騰したのだ。1982年、2001年、2014年に続いてすでに4度目の国家経済危機である。経済事情が良かったとき、グローバル企業を育成できる機会を逃した。以後、再び先進国には到底近づくことができず、IMF救済金融の常連客となった。

◆1997年、韓国は「ファンダメンタルは良い」としていたが、IMF救済金融を受けた前歴がある。最近は、省庁ごとに我先に財閥たたきに乗り出している。韓国経済がここまで来られたのは、労働者の犠牲と企業の挑戦と成果があったからである。今韓国の牛は果たして誰が飼うだろうか。