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現代自までが「貪欲なエリオット」の餌に、経営権保護法が急がれる

現代自までが「貪欲なエリオット」の餌に、経営権保護法が急がれる

Posted April. 25, 2018 08:44,   

Updated April. 25, 2018 08:44

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米国系ヘッジファンド、エリオットが23日、現代(ヒョンデ)自動車グループに対して、「現代自とモービスを合併して持株会社を立てよ」と要求した。エリオットはまた、すべての現代自の自社株を消却して純利益の40~50%を配当すること、社外取締役3名を追加選任することを要求した。今月初め、現代自グループ系列会社の株1兆ウォン分を保有していると主張して、支配構造の再編を要求したエリオットが、本格的に経営口出しに乗り出したのだ。

現代自としては、現代モービスを現代自の支配会社にして循環出資構造を断ち切るという計画と方向の異なるエリオットの要求は受け入がたい。主要系列会社の株をわずか1.5%余り保有しているエリオットが、株主総会で主張を貫くことも容易ではない。それでもエリオットがこの要求事項を公開したのは、他の株主を集めて、現代自動車の経営陣を圧迫する手段だと受け止められる。支配構造の再編問題を引き出して、現代自の株価を引き上げるという「貪欲資本」の本性を現したわけだ。

エリオットは2015年も、三星(サムスン)物産と第一(チェイル)毛織との合併に反対して、経営権揺さぶりを試みたことがある。当時、三星は、個人株主を説得し、国民年金の支持を得て、特別配当を要求するエリオットの攻撃を防いだ。エリオットだけではない。ソブリン、エルメスなどのファンドや企業ハンター、カール・アイカーンなどがSKと三星、KT&Gなどの経営権を脅かして株価を釣り上げた後、差益を実現して去っている。特に彼らは、経営権継承などの問題のある企業の株を事前に買い入れる「地上げ」で影響力を行使してきた。

企業の未来には関心のない彼らの「食い逃げ」に韓国企業がお手上げとなったのは、これといった経営権保護装置がないからだ。米国、欧州、日本などでは、差分議決権(特定の株により多くの議決権を与えること)やポイズンピル(既存の株主たちが会社の新株を安く購入できる権利)のような経営権保護制度を設け、敵対的買収・合併(M&A)を防いでいる。動物の死体を食べるワシ(バルチャー)になぞらえて、「バルチャーファンド」と呼ばれるヘッジファンドが、韓国企業をおいしい餌として狙うのは当然だ。

しかし、政府・与党が立法を推進する商法改正案には、このような装置どころか、むしろ複数代表訴訟制、集中投票制など、外部勢力が経営権攻撃を容易にできる毒素条項が含まれている。大株主の専横を防止するという名分だが、大企業が自ら支配構造の改善に乗り出した状況で、あえて法で強制する理由があるのか疑問だ。安定的な経営と投資をせず経営権防御にのみ汲々しては、企業成長は難しい。逆に行く企業政策と制度では、産業生態系の荒廃を招くだけだ。