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北核6者協議の失敗を繰り返す余裕はない

北核6者協議の失敗を繰り返す余裕はない

Posted April. 07, 2018 07:23,   

Updated April. 07, 2018 07:23

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が先月末の中国訪問で、習近平国家主席と会談し、北朝鮮の核問題を話し合う6者協議の復帰に同意する意向を伝えたと、日本経済新聞が5日付で、中朝関係筋を引用して報じた。これに対して大統領府関係者は6日、「南北、米朝首脳会談と、可能なら南北米首脳会談まで行った後、関連国がもっと安全な装置、保証が必要とすれば、6者協議まで拡大する可能性があるだろう」と話した。当座は、南北米が中心に核問題の解決に集中しなければならないとしながらも、今後の6者協議再開の可能性も排除しないという考えのようだ。

6者協議は2003年から、韓国、北朝鮮、米国、中国、日本、ロシアが参加して北朝鮮核問題の解決を議論した多者間会談だ。しかし、北朝鮮が09年に会談参加を拒否し、事実上、機能が停止した。これまで議長国を務めた中国は6者協議の再開を主張し、習主席も金正恩氏に会って復帰を要請しただろう。南北米3国を中心になされた情勢の急変に当惑する中国としては、自分たちが主導できる対話の場を簡単にあきらめるわけがない。

しかし、6者協議はすでにその限界を明確に露呈した失敗したプロセスだ。当初、米国との直接対話を求める北朝鮮に周辺国が共同で圧力をかけるという意図で始まった会談だったが、口論で空転するのが常で、結局は米朝間の水面下の談判の結果を追認するだけの会談に転落した。6者協議は9・19共同声明や2・13合意などの成果を上げたにもかかわらず、非核化の履行・検証をめぐる論議で座礁してしまった。特に北朝鮮は、非核化の過程を段階別に細分するサラミ戦術で時間をかせぎ、その結果、北朝鮮の核能力を高度化させた。

南北、米朝のリレー首脳会談による北朝鮮核問題の解決の試みは、6者協議とは根本的に異なるアプローチだ。核心関連国の最高指導者間で包括的な一括妥結を成すトップダウン方式であるうえ、その履行も非常に速かに完了する解決策を追求する。このような状況で、6者協議を再稼働することは、核問題の解決を遅らせ複雑にさせるだけだ。中国と日本が割り込んでどちらか一方の側についたり、別のイシューを提起して議論を乱す可能性もある。

むろん、6者協議が有用な対話の枠組みということは否定できない。南北米が主導する核問題の解決策は、韓半島の平和体制、ひいては北東アジアの安保秩序の抜本的な変化を導く契機になり得る。それゆえ中国、日本、ロシアの協力も欠かせない。6者協議は、北朝鮮の非核化履行を監視し、韓半島平和体制の構築を支援する多者間地域安保協力体として再び誕生することができるだろう。しかし、今は過去の失敗を繰り返すほど余裕はない。