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北朝鮮要人が訪中、「非核化列車」脱線の契機にならなくては

北朝鮮要人が訪中、「非核化列車」脱線の契機にならなくては

Posted March. 28, 2018 09:24,   

Updated March. 28, 2018 09:24

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北朝鮮要人が26日、列車で中国・北京を電撃訪問した。要人は列車から降りるやいなや人民大会堂に移動し、習近平国家主席ら中国指導部と会談を行ったという。過去に金正日(キム・ジョンイル)総書記が利用した「1号列車」が動き、国家元首級の儀典と警護がなされたことから、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の可能性が高い。外信の金正恩氏訪中報道も続いた。しかし、中国当局が確認を拒否しており、一部では金正恩氏が妹の金与正(キム・ヨジョン)氏を特使として送ったという観測も流れている。

北朝鮮要人の訪中は、金総書記が2011年5月に訪中して以来7年ぶり。4月末の南北、5月の米朝首脳会談を控え、中朝関係をまず修復する必要があるという両国の利害が一致した結果と見える。金総書記も00年の南北首脳会談を控えて中国を訪問し、江沢民主席と会った。北朝鮮は、最近の韓半島情勢の変化の背景を習主席に直接説明し、今後の中国の支援を要請したと見える。特に金正恩氏が韓国の特使団に明らかにしたという非核化の意向を繰り返し中国側に伝えたかどうかも注目される。

金正恩氏の執権後、中朝関係の改善は望ましい方向だ。中国はこれまで北朝鮮核問題の解決策に北朝鮮の非核化プロセスと平和協定締結を同時に進めるといういわゆる「双軌並行」を提示してきた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が描く韓半島平和構想とも大きく異ならない。特に、韓国戦争休戦協定を平和協定に変えるには、参戦国の中国の参加または保障問題が必要なうえ、窮極的に北東アジアの平和体制を樹立するうえで中国は外せない。大統領府が「肯定的な信号と見る」と論評したのもこのような脈絡だろう。

一方では、北朝鮮と中国が異なる考えをするかも知れないという懸念があるのも事実だ。過去、北朝鮮が苦境に立たされた時には常に中国を逃避先とし、中国もこれを口実に北朝鮮を適当に管理してきた中朝関係の歴史を想起させるためだ。今回も中国は「中国素通り(チャイナパッシング)」を懸念し、急いで北朝鮮に招待状を送り、北朝鮮は米国に対する外交的示威で招待に応じた可能性が高い。特に、米国の外交安保ラインで対話派が消え、超強硬タカ派で埋められ、北朝鮮が感じる圧迫感が大きい状況なので、過去の誘惑にかられる可能性も排除できない。

しかし、常にそのような退行は北朝鮮を奈落に落とし、中朝関係を悪化させる結果だけを生んだ。中国は今回も訪中の事実も確認せず、関連情報に関するネット統制までする慣行を繰り返した。隠密な交流がまるで強い関係を証明するといった古い考えから捨てるべきだ。今回の訪中イベントが不必要な誤解を生まないよう中朝関係も透明で正常な関係に変わらなければならない。さらに金正恩氏の非核化の意向を繰り返し確認し、覆せない約束にする契機になることを期待する。