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4、5月に南米と米朝が首脳会談…韓半島に「非核・平和の春」は訪れるか

4、5月に南米と米朝が首脳会談…韓半島に「非核・平和の春」は訪れるか

Posted March. 10, 2018 07:45,   

Updated March. 10, 2018 07:45

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トランプ米大統領が5月中に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会う意向を明らかにした。トランプ氏は9日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特使として平壌(ピョンヤン)に訪れた鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安保室長から金正恩氏の「できるだけ早期に会いたい」というメッセージを聞き、「恒久的な非核化の達成に向けて金正恩氏と今年5月までに会う」と前向きに答えた。南北が4月末、板門店(パンムンジョム)で首脳会談を開催することで合意したのに続き、歴史的な米朝初の首脳会談も可視圏内に入ったのだ。文氏は「5月の会談は、後日、韓半島の平和を導いた歴史的な里程標として記録されるだろう」と評価した。

米朝首脳会談が事実上合意し、北朝鮮の核・ミサイル脅威をめぐって対立していた韓半島情勢は急速に対話局面に転換された。荒っぽい「言葉の戦争」を越えて軍事選択肢と核報復を警告していた米朝が、本格的な関係正常化の軌道に入れば、地球上最後の遺産として残る韓半島の70年間の冷戦体制も崩壊するだろう。南北、米朝首脳会談が、中朝、日朝、露朝の首脳会談につながれば、北東アジアの国際秩序も全面的に改編されるものと期待される。

ここ数日間、不可能と見られた予想外のことが起こり、韓半島情勢が劇的に転換されたのは、何より文政権の仲裁外交の役割が大きかった。昨年7月にいわゆる「ベルリン構想」を出して以来、文氏の地道な対北、対米説得外交が功を奏したのだ。対北特使団は、金正恩氏から非核化の意思表明と核・ミサイル実験中止の約束、韓米合同軍事演習の了解を取り付けた。特に、北朝鮮の核・ミサイル挑発の中止の考えが明らかになり、トランプ氏も米朝首脳会談の提案を直ちに受け入れた。

金正恩氏の非核化の意思を明らかにするまで、その本質には「最大の圧力と関与」という米国の対北政策があった。トランプ政権は、軍事的攻撃まで検討し、圧力を最大限強化しながらも、対話の扉を開けて金正恩氏を促した。首脳会談の提案は、年末の中間選挙を控えて外交的成果が必要なトランプ氏とってもプレゼントだ。トランプ氏が「4月にも会おう」と言ったのもこのような理由からだ。ただ、米国は対話が実を結ぶまで制裁は継続する方針だ。トランプ氏も「大きな進展だが、制裁は合意がなされるまで維持される」と強調した。完全な非核化まで進めるには、韓国政府も緊密な韓米協力の下、圧力の方針を維持しなければならない。

新たな期待にもかかわらず、まだ「5月まで」という概略の首脳会談のタイムテーブルが出たにすぎない。それに先立ち米朝対話が行われ、非核化の日程と実行計画などの韓半島平和構築に向けた大きな絵の輪郭が描かれなければならない。容易ではない課題だ。北朝鮮が米朝対話で核兵器と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄を受け入れれば、対北制裁の解除、平和協定の締結、米朝関係の正常化、韓米合同軍事演習の中止を要求するだろう。米国がこのような要求にどれだけ合わせるかは未知数だ。

さらに、米朝首脳会談の具体的な場所と日時、議題も決まっていない。平壌(ピョンヤン)かワシントン、あるいは第3の場所である板門店(パンムンジョム)かソウル、済州島(チェジュド)になるかもしれない。米朝非核化対話が軌道に乗った後、首脳会談の議論のための相互特使派遣も必要かもしれない。これまで韓国の仲裁による間接対話だけの状態で米朝が直接ひざを突き合わせるなら、あらゆる論議と神経戦が繰り広げられるだろう。いつでも覆せる不安な合意だ。

最近の急激な情勢変化は、過去にもなされた米韓朝3国間の歴史の圧縮的展開でもある。2000年の南北首脳会談後、北朝鮮のチョ・ミョンロク国防委員会第1副委員長と米国のオルブライト国務長官が相互訪問した。当時、クリントン大統領も平壌訪問を計画したが、共和党に政権交代し、訪朝は実現しなかった。07年の南北首脳会談後は、米韓朝3国首脳が集まって終戦を宣言する案も推進された。このような過去はすべて未完または失敗の経験であり、今の期待が失望に変わり得ることを示す。

今や、米韓朝3国間の外交タイムテーブルはアクセルを踏むことになる。その過程で北朝鮮と米国は絶えず互いの真正性をテストして損益を計算し、仲裁者である韓国政府は気をもむかもしれない。文氏は、「政府は奇跡のように訪れた機会を大切に扱っていく。誠実で慎重に、しかし迅速に進展させる」と述べた。まずは4月末の南北首脳会談まで北朝鮮が非核化に向けたより進展した措置を出すよう説得し、これを基に5月の米朝首脳会談で具体化した合意に至るようにしなければならない。

事実上、韓国政府が取り持つ米朝首脳会談だ。韓半島ひいては北東アジアの平和定着の実を結ぶよう外交力を総動員しなければならない。情勢急変に戸惑う日本をはじめ、中国、ロシアまで周辺国の協力体制も構築する必要がある。決められた時間に合わせるためには急がなければならないが、目標に達する過程一つ一つ、飛び越えたり見逃してはいけない。過去の歴史的合意が終盤に難航したり問題が生じた理由であり、その非難の矛先は常に仲裁者に向けられた。