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\韓国特使団と会談した金正恩氏、「核で生存」もう夢を見るな

\韓国特使団と会談した金正恩氏、「核で生存」もう夢を見るな

Posted March. 06, 2018 07:41,   

Updated March. 06, 2018 07:41

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対北朝鮮特別使節団が5日、北朝鮮を訪れ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談し、晩餐会も共にした。鄭義溶(チョン・ウィヨン)首席特使は訪朝の前に、「南北対話と関係改善の流れを生かして韓半島の非核化と恒久的な平和を作るという大統領の確固たる意志を明確に伝える」と述べた。非核化を決断しなければならないという文氏の思いを聞いた正恩氏が出した反応は今日戻る特使団を通じて明らかになることだが、正恩氏がどのような反応を出すかによって、今後の韓半島情勢は、対話局面の転換か、戦争危機の再発かに分かれるだろう。

正恩氏が韓国特使団を丁重に歓待することは予想されたことだ。正恩氏は、平昌(ピョンチャン)五輪開会式の時、対南特使として派遣した妹の金与正(キム・ヨジョン)氏の報告を受けて、「南側があらゆる誠意を尽くして努力する姿が印象的だった」と満足した。先週、文氏の特使団派遣の方針を受けてすぐに歓迎の意思を表明し、特使団の会談要請にも特に条件なく受け入れたという。しかし、このような形式的な儀典上の歓待が、今後の南北関係ひいては北朝鮮の対外関係の展望を明るくはしない。

北朝鮮は5日にも宣伝メディアを使って米国を激しく非難し、核放棄はありえないという立場を明らかにした。労働新聞は、「海上封鎖だとか資金源の遮断だとか言って私たちの自主権を少しでも侵害するなら、それによる強力な対応措置が取られるだろう」と警告した。しかし、米国との関係改善がなければ永遠に「ならず者国家」から抜け出すことができず、遠からず枯死するほかないことを正恩氏が誰よりもよく承知しているだろう。

 

正恩氏は「平昌の勢い」を見逃さないだろう。韓国特使団には直接非核化の意思を明らかにせず、「米朝間の相互関心事」を議論するとして米国との対話の意思を強調できる。すなわち、米国のいわゆる「敵対視政策」撤回を条件に非核化問題を対話のテーブルにのせることができるという条件付き非核化になるだろう。外交ではどちらかの一方的な勝利はありえないため、これを機に米朝対話が始まるかも知れない。

しかし、そのような対話は長く続くはずがない。トランプ米大統領は、クリントン政権以来の歴代政権の対北政策を批判し、「同じ失敗は繰り返さない」と強調している。正恩氏はこれまで、祖父、父の時から続けてきた、対外脅迫で譲歩を引き出して生存を引き延ばす慣行から脱する考えはないようだ。しかし、北朝鮮は今直面している現実を直視しなければならない。平昌休戦期間が終わる今月末までに接点が見いだせなければ、北朝鮮は生存の脅威を受けることになるだろう。