Go to contents

北朝鮮とシリアの化学兵器「黒い取引」

Posted March. 01, 2018 10:15,   

Updated March. 01, 2018 10:15

한국어

北朝鮮が昨年までシリアに弾道ミサイルと化学兵器の部品など禁輸品目を船舶で送っていたと、米メディアが27日、未発表の国連報告書を引用して報じた。これには、化学兵器の製造に使われる特殊タイルやバルブ、温度測定機が含まれた。2016年にはシリアの化学兵器・ミサイル施設で働いた北朝鮮の技術者の姿が捉えられたという。米国務省は、「北朝鮮政権の堕落をうかがわせる」ものとし、「このことがまさに私たちが非核化政策を強硬に支持する理由だ」と述べた。

北朝鮮がイランやシリアのような「ならず者国家」に兵器を伝える「黒い取引」は昨日今日のことでない。しかし、内戦勃発から7年が経っても凄惨な「キリング・フィールド」から抜け出せないシリアの悲劇を北朝鮮が助長しているということは、金正恩(キム・ジョンウン)政権の邪悪な属性を一層浮き彫りにさせる。米国務省が「北朝鮮は切迫した時、犯罪政権の資金源を得るために創造的でおぞましい方法を探す」と指摘した通り、悪との結託で制裁の脱出を模索しているのだ。

当初、政府軍と反体制派、過激派組織「イスラム国」(IS)の対立だったシリア事態は、IS掃討作戦が進むにつれ、政府軍と反体制派、クルド族に分かれて角逐戦を繰り広げている。ここに周辺国まで加勢し、代理戦の様相に広がっている。最近では、政府軍が東グータ地区に化学兵器を使ったという議論があり、国際的な非難が溢れている。トランプ政権は昨年4月、化学兵器の攻撃に対する報復として、シリア空軍基地を狙ってミサイル爆撃を行った。この爆撃は、北朝鮮に対する軍事選択肢で議論された「ブラッディ・ノーズ」作戦のモデルでもある。

北朝鮮とシリアの化学兵器のつながりは、直ちに米国の北朝鮮に対する圧力の強度を一層高める根拠に作用するだろう。これに先立ち米国は23日、北朝鮮の「海上での瀬取り」遮断のための過去最大規模の制裁を加えた。さらに中東・アフリカで不法取引する北朝鮮船舶の寄港記録を分析する作業に入ったという。これだけでなく北朝鮮の海域を事実上軍事的に塞ぐ海上封鎖の措置もいつまでも過程的状況のままではないだろう。

米国では、ジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表まで突然退任し、対話派の立場がますます狭まっている。マーク・ナッパー駐韓米国代理大使は28日、米朝対話の条件について、「非核化という目標を表現しない時間稼ぎ用の対話はだめだ」と強調した。北朝鮮に対する海上封鎖は、軍事攻撃の直前段階の最大の圧力になるだろう. 4月初めに始まる韓米合同軍事演習はその試験舞台になり得る。もはや金正恩氏が非核化を決断する以外に選択の余地はなく、締め切りまで1ヵ月しか残っていない。