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非核化言及にもかかわらず対話の扉を開いた北朝鮮、圧力が牽引の鍵だ

非核化言及にもかかわらず対話の扉を開いた北朝鮮、圧力が牽引の鍵だ

Posted February. 27, 2018 08:55,   

Updated February. 27, 2018 08:55

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が25日、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)氏一行に会った席で、韓半島の非核化の必要性について言及した。北朝鮮側代表団が見せた反応は公開されなかったが、続いて文氏が南北関係の改善と米朝対話が速やかに行われなければならないと言うと、金英哲氏は「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長も同じ考えを持っている」とし、対話の意向を明らかにしたという。金英哲氏一行は26日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長との昼食会でも、「米国との対話の扉を開けている。私たちは米国と対話する用意があることをすでに何度も明らかにした」と述べた。米ホワイトハウスは、「平壌(ピョンヤン)のメッセージが非核化に向けた第一歩なのか今後を見守る」とひとまず開かれた立場を示した。非核化の「非」の字も出させなかった北朝鮮が対話に前向きな姿勢を見せたという点で、非核化議論の扉を開ける第一歩は踏み出したとものと見られる。

文氏は25日、1時間ほどの会談で、北朝鮮の核の「凍結→廃棄」という2段階の解決策を北朝鮮側に説明したという。文氏は非核化ロードマップで、核の凍結を非核化の入口に、核廃棄を出口に置いて各段階別に補償を提供する段階的解決の構想を明らかにしたことがある。しかし北朝鮮側は、非核化の入口を開く米朝対話の開始段階から対北制裁の解除と韓米合同軍事演習の中止などの対等交換を求める可能性が高い。しかし、対北制裁は北朝鮮を非核化という最終目標まで牽引できる唯一の鍵だ。これを早期に解除することは、国際社会がとうてい受け入れられず、受け入れてもいけない事案だ。

文氏は26日、中国の劉延東副首相との会談で、「米国は対話のハードルを下げる必要があり、北朝鮮も非核化の意思を示さなければならない。そのためにも米国と北朝鮮が速やかに対座することが重要だ」と話した。むろん米朝対話は必要だが、対話の成功のための基盤がより重要だ。北朝鮮は05年の9・19合意、07年の2・13合意など核廃棄に合意をしておきながら、実際に検証段階の入口で反故にし、核廃棄ロードマップを紙くずにしてしまった。金正恩政権発足後の12年2月にも米朝高官級会談で「2・29合意」に至ったが、長距離ロケットを発射して破棄された。それほど北朝鮮が交渉結果を反故にできた最大の理由は、北朝鮮を牽引し統制する唯一の手段である国際制裁の穴が多かったためだ。

しかし今は違う。北朝鮮は、金与正(キム・ヨジョン)氏一行とペンス米副大統領の会談に同意しておきながら直前に取り消したものの、今回は非核化を言及したにもかかわらず対話の用意があると明確にした。ペンス氏の強硬な姿勢に怒って対話の機会を一度は蹴ったが、結局は対話せずには耐えられない境遇だ。これは史上最大の強力な対北制裁の力だ。3月25日のパラリンピック閉会までに想定された「休戦期間」に南北の非公開の接触が活性化し、北朝鮮への特使派遣の可能性も大きくなるなど緊迫した流れが予想される。弱い対話の灯火を消さないためには、国際制裁という風が持続的に吹かなければならない。

金英哲氏一行は26日、鄭国家安保室長との昼食会でも、「南北関係の発展、国際社会との協力がバランスよく進展できるよう協力しよう」と呼びかけた。