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金正恩氏、米朝対話の「機会」を蹴れば終末を早めるだけだ

金正恩氏、米朝対話の「機会」を蹴れば終末を早めるだけだ

Posted February. 15, 2018 09:08,   

Updated February. 15, 2018 09:08

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米国家安全保障会議(NSC)関係者は13日、「完全かつ検証可能な非核化は妥協できないという米国の立場を強調するために北朝鮮に関与する意向がある」と明らかにした。国務省報道官も、「何を話すのか議題を設定するための予備的協議をすべきかも知れない」と述べた。北朝鮮の非核化に向けた最大の圧力を伝えるための米朝対話が可能ということだ。米メディアも、トランプ政権の対北アプローチに微妙だが潜在的に重要な変化があると伝えた。

米国の気流の変化はあくまでも対話方式に関することにすぎず、北朝鮮政策の方向や基調が変わったわけではない。ただ、北朝鮮が非核化の意思を明らかにすることを対話の前提条件に掲げた既存の立場から脱し、ひとまず会って話をしてみようという柔軟な態度に変わった。これまでトランプ政権内では米朝対話の開始をめぐって論議が起きた。ティラーソン国務長官が「2、3の対話チャンネルの稼働」を発言すると、トランプ氏は「時間の無駄」と非難し、ティラーソン長官の「条件のない初会談」言及もホワイトハウスが急ブレーキをかけた。

米国の柔軟なアプローチは、平昌(ピョンチャン)五輪を機とする南北対話の急進展と文在寅(ムン・ジェイン)政府の仲裁努力が作用したのだろう。特に、文氏が訪韓したペンス米副大統領に、「北朝鮮の非核化措置なく制裁緩和はない」と安心させたことが功を奏したのだろう。北朝鮮としても締めつけが厳しくなる制裁圧力から突破口を模索しなければならない時だ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長としては、文氏が手を引っぱって、やむを得ずついて行くような形を演出することを望むかも知れない。

しかし、本格的な対話に先立ち予備的協議が開かれても、北朝鮮の態度変化がない限り「対話のための対話」から脱することはできないだろう。北朝鮮は再び無謀な挑発で危機を高め、劇的な妥協を引き出す典型的な手法を使うかも知れない。しかし、「私たちは過去の政権とは異なる」と強調するトランプ氏だ。ホワイトハウスは依然として軍事選択肢を断念していない。ダン・コーツ国家情報長官(DNI)は北朝鮮の追加挑発を見通し、「決定の時間が迫っている」と述べた。金正恩氏は国際社会の孤立と封鎖から脱する絶好の機会を逃してはならない。核だけを抱きしめていては、住民を飢えさせ、政権の生存も不可能だ。