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平昌芸術団・選手団を巡る南北交渉、順番が逆だ

平昌芸術団・選手団を巡る南北交渉、順番が逆だ

Posted January. 16, 2018 09:36,   

Updated January. 16, 2018 09:40

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韓国と北朝鮮は15日、北朝鮮の芸術団公演と関連した初の実務会議を開いた。この会談は、年明けから続く南北対話の気流の中で初めて開かれた実務級会談という点で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が新年の辞で明らかにした「対話」を推し量る最初の場だった。ここで北朝鮮側は、芸術団の公演内容に干渉してはならないと主張するなど、スポーツイベントを体制宣伝に利用しようとする態度を見せた。

北朝鮮芸術団には、15日の会議に代表団員として参加した玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏が率いる牡丹峰(モランボン)楽団が含まれる可能性がある。団員が皆軍人の身分である牡丹峰楽団は、北朝鮮の体制宣伝の主力部隊で、2015年に北京公演に行った際、中国側に体制宣伝内容を問題視され、公演を取り消して帰国したこともある。昨年7月には大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星(ファソン)14」の発射を祝う公演もした。

北朝鮮の核開発の直接的被害当事者である韓国で、それを称賛する公演をすると固執するなら、これは文明国家として恥知らずのごり押しだ。むろん、そのような体制宣伝の公演に韓国社会や欧米世界が影響を受ける可能性はない。しかし、国家間で守らなければならない礼儀、そして五輪精神を冒涜することであるため、受け入れることはできない。

実際、スポーツ会談よりも芸術団会談が先に開かれたことは優先順位が逆だ。今回の南北接触の主要議題は平昌(ピョンチャン)五輪参加だが、北朝鮮は平昌実務会談を15日に開催しようという韓国側の提案には回答せず、芸術団会談にこだわり、15日午後に平昌実務会談を17日に開くことを提案してきた。冬季五輪の開催までわずか24日残されたが、北朝鮮側高官級代表団と選手団および芸術団を含む派遣規模だけでなく、訪問団の訪問手段や経路、宿舎の問題が議論すらされなかった。北朝鮮が五輪参加を体制宣伝の場に利用しようとする旧態を繰り返すには、南北が共に解かなければならない課題が多く、時間がないということを肝に銘じなければならない。北朝鮮側が今後の実務会談で無理難題を突き付けるなら、正恩氏の対話の意志は北朝鮮に対する制裁協力に穴をあけるための策略だったことを自ら認める結果になるだろう。

政府も五輪を南北和解の祭典にするという意欲が先走り、韓国の地で最初に開催する冬季五輪に傷をつける愚を犯してはならない。その点で政府が提案した女アイスホッケー単一チームの構成は再考する必要がある。開会式と閉会式での共同入場は、時間的にも大義名分においても議論の余地があるが、単一チームの構成は遅すぎる。平昌を目標に汗を流してきた韓国選手のことを考えると、単一チームの構成は十分な時間をかけて共感を形成して決めるべきだった。今は政府が不必要な論議を追加したり北朝鮮の言いなりになったりするほど時間的に余裕はない。