Go to contents

北朝鮮、大規模平昌訪問、国際的孤立の脱出口

北朝鮮、大規模平昌訪問、国際的孤立の脱出口

Posted January. 10, 2018 09:01,   

Updated January. 10, 2018 09:25

한국어

9日に板門店(パンムンジョム)韓国側の「平和の家」で開かれた南北高官級会談で、北朝鮮は平昌(ピョンチャン)冬季五輪に高官級代表団と民族五輪委員会代表団、選手団、応援団、芸術団、参加団、テコンドー模範競技団、記者団を派遣すると提案した。当初、韓国政府が提案した代表団と応援団の派遣規模をはるかに越え、積極的な平和攻勢に出たのだ。韓国側は2月の旧正月の離散家族再会に向けた赤十字会談と偶発的な衝突を防ぐための軍事会談を提案した。

平昌五輪の開幕をちょうど1ヵ月残して開かれた今回の南北会談で、北朝鮮が提案した大規模な訪問団派遣を韓国側が受け入れるなら、過去最大規模の北朝鮮訪問団が平昌に来ることになる。北朝鮮が韓国側の国際大会に選手団と応援団を送ったことは何度もあったが、芸術団や参加団、テコンドー模範競技団を共に送ったことはなかった。また、今年の旧正月が2月16日なので、同月9日に開幕する平昌五輪の期間に含まれる。北朝鮮の平昌五輪参加に続き離散家族再会まで合意に至れば、平昌だけでなく金剛山(クムガンサン)離散家族再会の会場でも南北間の大型イベントが行われることになる。

しかし、北朝鮮がこのように大々的な平和攻勢をしかける意図を考えなければならない。ペンス米副大統領は6日、あるインタビューで、今回の南北高官級会談を「五輪に関する会談」と限定し、「北朝鮮が核と弾道ミサイル計画を放棄するまで最大圧力の基調を緩めない」と強調した。一方、北朝鮮は南北高官級会談の前後に「わが民族どうし」などの宣伝メディアを動員して、民族的和解と団結を強調している。対北圧力で隙を与えまいとする米国と韓国を仲たがいさせようとする北朝鮮の思惑を忘れてはならない。南北関係の改善は南北だけの問題ではない。南北関係改善に過度な意欲を見せて、国際社会との協力を乱す結果を招いてはならない。

北朝鮮も、最後に残った大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成のための時間稼ぎの平和ジェスチャーではないと、国際社会に信頼を与えなければならない。高官級会談後、韓米合同軍事演習の中止や米国の戦略資産展開の中止といったこれまでの主張を繰り返すなら、平昌五輪の参加が偽装平和攻勢であることを自ら立証することになる。北朝鮮は平昌五輪参加を国際的孤立から脱する出口としなければならない。さらには米朝対話を通じて実質的な非核化を果たし、韓半島に平和を定着させる最後の機会を無駄にしてはならない。