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金正恩氏の「平昌参加」発言、韓国の外交安保力が試される

金正恩氏の「平昌参加」発言、韓国の外交安保力が試される

Posted January. 02, 2018 09:17,   

Updated January. 02, 2018 09:23

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日、新年の辞で、平昌(ピョンチャン)冬季五輪に代表団を派遣する用意があることを示唆し、南北対話を提案した。一方では「米国は決して我が国を相手に戦争を仕掛けられない」と断言し、「米本土の全域が核打撃射程圏にある。核のボタンは、常に私の事務室の机の上にある」と警告して、核弾頭と弾道ロケットの大量生産と実践配備に拍車をかけるよう指示した。一方で韓国側に五輪と対話の鳩を飛ばし、もう一方で核武力を強化するという陽動作戦と見える。

正恩氏は2013年以来、毎年新年の辞で具体的な目標を提示し、達成を促して実践することで体制を強化してきた。正恩氏が新年の辞にアメとムチのいずれも提示したことは初めてではないが、今回の新年の辞は、平昌五輪の成功と南北対話の開催を強く希望する韓国側に平和攻勢をしかけることで、北朝鮮に対する国際的圧力の協力に亀裂を生じさせようという策略がうかがえる。

むろん、これまで国際オリンピック委員会(IOC)と韓国政府の招請に無応答で一貫してきた正恩氏が、「平昌五輪は民族の地位を誇示する良い契機」とし、代表団を派遣する考えを明らかにしたことは歓迎することだ。IOCと韓国政府も前向きに対話に応じ、北朝鮮の五輪参加という実を結ぶ努力をしなければならない。スポーツを体制維持と対決の道具に悪用した北朝鮮の参加を引き出し、その過程で、北朝鮮を国際社会の対話の場に引き出す踏み台ができるなら拒む理由はない。

しかし、正恩氏は平昌参加というアメを提示しながらも、その下に敷かれた意図を隠そうとしなかった。正恩氏は、「南側で保守政権が崩壊して政権勢力が変わったが、変わっていない。南朝鮮当局が米国の対朝鮮敵対視政策に追従している」と非難した。そして、「米国とその追従勢力の制裁封鎖策動」と3度も言及し、「南側は外勢とのすべての核戦争演習をやめて米国の核装備と武力を引き入れる一切の行為をやめよ」と韓国が国際的圧力の隊列から離脱するよう求めた。

北朝鮮は今後、平昌代表団派遣のための対話で、韓米合同演習の中止など政治的要求を結びつけてくるだろう。正恩氏が、「今のように戦争でもなく平和でもない不安定な情勢が持続する中では、北と南が予定された行事の成功を保障できない」と平昌五輪を問題視したことは、北朝鮮の参加の有無を交渉のてこに使うということだ。その過程で韓国国内の対立だけでなく、韓米協力にも微妙な対立が起こる可能性を計算に入れただろう。また最近、米国主導の制裁隊列に距離を置いている中国を揺さぶる効果も期待しているだろう。実際、すでに中国メディアは正恩氏の平昌参加メッセージに注目する報道を送っている。

トランプ政権の軍事力を動員した核施設除去の脅威が高まり、国際社会の制裁協力体制が辛うじて形成されている局面で、正恩氏は圧力の風船に穴をあける弱い契機として文在寅(ムン・ジェイン)政府をターゲットに定めたのだろう。政府は、平昌代表団派遣の提案を徹底して五輪の次元で接近して成功させると共に、その過程で韓米協力と国際社会の対北制裁に亀裂が生じないよう精巧かつ慎重な戦略を立てなければならない。文政府の外交安保の力が試されている。