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私たちを恥ずかしくさせる浦項被災者の市民意識

私たちを恥ずかしくさせる浦項被災者の市民意識

Posted November. 24, 2017 09:45,   

Updated November. 24, 2017 10:16

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浦項(ポハン)地震で住処を失った被災者のうち、高齢者がまず、政府が用意した賃貸住宅への移住を開始した。当初浦項市の計画は、新しい家を必要とする被災者は多いが、入居可能な賃貸マンションは160戸に過ぎず、入居の順番を抽選で決めるということだった。ところが、優先入居対象である浦項北区環湖洞(ブクク・ファンホドン)のテドンヴィラの被災者らは、「高齢者や子供のいる世帯から先に入居しなければならない」という基準による名簿を提出し、一昨日から入居が始まったのだ。

使用不可判定を受けた家に帰ることができなくなった浦項市の被災者たちは、誰彼無しに避難所での不便な生活と気苦労に耐えている。いつ破損した家が復旧され、再び戻ることができるかもわからないのが現状だ。このように大変な日々を送りながらも、浦項市の被災者たちが、自分より大変な隣人を先に心配して生活の基盤を譲歩したことは、全国民に温かさを伝えてくれた。地域社会の構成員として、「老弱者優先」に合意した彼らの思いやりこそ、真の先進市民の姿勢と言える。

今、韓国社会は、度を越えた個人主義と集団利己主義で疲弊している。9月は、「住宅価格が下がる」という理由で、特殊学校の設立に反対した住民たちの前で、障害児童生徒の親たちが跪いたまま、涙で訴えた。社会的弱者の保護と尊重心の欠けた共同体、2017年の大韓民国の市民意識の素顔を見せた事例だった。韓国社会に人の間の信頼と思いやりを意味する社会資本が脆弱なのは恥ずかしいことである。最近、経済協力開発機構(OECD)が発表した「より良い生活指数」をみると、「困難なときに頼れる友人や親戚がいるか」という質問に、「そうだ」と回答した割合が、調査対象41カ国中最下位だった。

「2018学年度の大学修学能力試験(修能)の延期」という未曽有の突発状況にもかかわらず、昨日、全国で修能が正常に行われた。特に浦項市では、2時限にマグニチュード1.7の弱い地震が起きたが、避難するほどのレベルではなく、無事に試験を終えることができた。史上初の修能延期に対する心理的圧迫と共に、余震の恐怖まで重なった浦項地域の受験生たちに、心から励ましの言葉を伝えたい。

先進国への跳躍は1人当たりの国民所得3万ドルの達成だけで実現するものではない。それより重要なのは、正しい市民精神、頑丈な共同体意識が根付いた社会を作ることである。突然の事故に見舞われても成熟した市民意識を見せた彼らが、私たちを恥ずかしくさせている。生活の基盤を失っても、譲歩ができる被災者と、10個を持っているのに、もう1個をさらに得ようとする人たち…。誰が真の金持ちなのか。被災者たちが見せた輝く市民精神が共同体全体に広がっていくことができれば、私たちの前に置かれた数多くの課題の解決方法も、より早く見つけることができるだろう。