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不安な韓中関係の修復、急がば回れ

Posted November. 13, 2017 10:24,   

Updated November. 13, 2017 11:02

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席は11日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に首脳会談を行い、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)問題を解決し、韓中関係を正常化することで合意した。しかし、習氏はTHAAD配備について依然として「韓国の責任ある態度」と求め、文氏は「中国を狙ったものではない」と強調した。中国はまだTHAADの撤収を主張し、韓国政府の「早急な関係回復」の期待に観望的姿勢を取っているのだ。

今回の首脳会談は、先月31日の両国間のTHAAD合意によってひとまず問題を解決し、首脳レベルで関係修復の突破口を開いたという点で肯定的だ。しかし、韓中双方が発表した会談結果の会見は、全くニュアンスが異なる。当初、THAAD問題が議題にならないという観測に反し、習氏は「歴史と両国関係、両国民に責任ある態度を示さなければならない」と繰り返し求めた。すでに配備されたTHAADも中国は了解したわけではなく、THAADの追加配備とミサイル防衛(MD)の編入、日米韓3国同盟を推進しないという「3不原則」にも釘を刺す構えだった。

これに対して文氏は、「中国の憂慮を重視する。中国の戦略的安保利益を害する意図はない」とし、10・31合意を再確認したというが、終始説明に回った。中国のTHAAD報復措置に問題を提起したという内容もない。文氏の来月の中国訪問は合意したものの、習氏の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の訪韓など答礼訪問は決まっていない。大統領府が、「両国関係の早急な回復に合意した」と言ったが、中国側の発表にはそのような内容もない。「不安な解決」だ。

THAAD合意と今回の首脳会談で、韓中の関係修復への期待は大きくなるだろう。11日、中国「独身者の日(光棍節)」のイベントの広告モデルに韓流スターのチョン・ジヒョンが登場したことをめぐっても、THAAD報復の解除ではないかと非常な関心を引いた。しかし、中国が団体観光ビザの許可や限韓令解除の動きは感知されていない。性急な期待は禁物だ。中国は依然として韓国の態度を見守ると圧力をかけている。

韓国政府の「3不原則」は、国内で安保主権の放棄ではないかという論議を呼び、米政府も不満気だ。米国が3隻の空母が参加する日米韓3国合同演習を提案したが、韓国の反対で韓米、日米がそれぞれ演習をすることになり、中国の顔色をうかがっているのではないかと指摘されている。韓中の関係改善も重要だが、安保問題まで譲歩して低姿勢になる必要はない。米国など周辺国との緊密な調整の中で解いていかなければならない。薄氷であればあるほど周囲を見回し、冷静に歩いていく知恵が必要だ。