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韓中通貨スワップの延長でTHAAD対立の転機を作るべきだ

韓中通貨スワップの延長でTHAAD対立の転機を作るべきだ

Posted October. 09, 2017 11:27,   

Updated October. 09, 2017 12:02

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韓国銀行と中国人民銀行が交わした560億ドル(3600億元)規模の通貨スワップ協定が、明日で期限切れを迎える。両国政府の実務交渉はほとんど終わり、両国指導部の最終決定だけが残っているという。韓国政府は、韓中通貨スワップを延長するという方針を立てて交渉してきた。しかし、中国は期限切れを二日後に控えた昨日まで、公式であれ非公式であれ延長するかどうかの言及をしていない。一部では中国指導部が18日、共産党全国代表大会(第19回党大会)の開幕を控え、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配置を巡る対立の相手国である韓国に融和策を使わないだろうという分析も出ている。

通貨スワップは、金融危機のように外貨が急に必要になるときに、協定相手国の中央銀行同士が通貨を互いに貸すことを決めた契約である。緊急時に火を消すことのできる一種の保護装置といえる。韓国と中国は2009年4月、ウォンと人民元の通貨スワップ協定を交わした後、2014年10月に3年間延長した。韓・中通貨スワップの規模は韓国が外国と交わしている通貨スワップの45.8%を占めるほど比重が大きい。韓米、韓日通貨スワップがそれぞれ2010年と2015年に期限切れとなっている状況であり、事実上唯一の基軸通貨スワップという点でも意味が大きい。

何よりも、通貨スワップは、締約国間の経済協力の意志を示すという点で、より大きな意味がある。韓・中通貨スワップを延長するかどうかは、THAAD配置で引き起こされた両国の経済対立がどのように進行されるかを見計らうシグナルである。もし通貨スワップの延長が失敗に終わったら、中国のTHAAD報復はしばらく続きかねない。12月まで決着をつけなければならない韓中自由貿易協定(FTA)のサービス分野の追加交渉にも否定的影響を与える可能性がある。中国との貿易対立が深刻化されただけに、韓国に有利に交渉を進めることは難しい。逆に韓中通貨スワップが延長されると、THAAD報復に苦しんできた韓国企業は、やや肯定的に中国市場を眺めることができる。

8月末現在、韓国の外貨準備高は3848億ドルで過去最大と言われているが、安心することはできない。米国連邦準備制度(FRB)が保有資産を縮小したうえ、北朝鮮の核脅威が高まったことを受け、ややもすると、国内金融市場で大規模な資本流出が発生する可能性があるからだ。韓国が経済危機に見舞われれば、現在より831億ドルの外貨がさらに必要だとの分析もある。通貨スワップは、外国為替市場の不安要因を事前に遮断する装置だ。韓国が「韓半島経済リスク」を統制できるという強力なメッセージでもある。必要であれば、中国の党大会以降の政治状況まで見据えながら、中国が通貨スワップの紐まで打ち切って韓中経済交流を破局に追い込んでいかないように、経済外交に全力を傾けなければならない。