Go to contents

トランプ大統領を凌駕する冷徹な「現実主義」で北核問題の解決策の摸索せよ

トランプ大統領を凌駕する冷徹な「現実主義」で北核問題の解決策の摸索せよ

Posted September. 21, 2017 09:20,   

Updated September. 21, 2017 09:24

한국어

トランプ米大統領の19日(現地時間)の国連総会演説は、世界の外交関係者を驚かせた。トランプ大統領は、「北朝鮮が好戦的な行動を止めるまで、すべての国が北朝鮮を孤立させなければならない」と国際社会に北朝鮮に対する圧力の協力を訴えながらも、「これ以上利用されてはならない。私は米国の利益を守る」と米国第一主義を強調した。「北朝鮮の完全破壊」という激しい表現は、核挑発を続けて米国と同盟国を脅かす北朝鮮に対する最後通告も同然だ。先のオバマ政権が謙虚な多者政策を固守したとすれば、トランプ大統領は多者主義に妨害されず、米国の利益を追求する「原則に立脚した現実主義(principled realism)」を提示したと評価される。

世界最大の多国間外交の舞台である国連総会でのトランプ大統領の演説は、事前に準備した原稿に基づいたという点で単純なレトリックではない。北朝鮮を焦土化させることができるという強力なメッセージを送ったのだが、だからといって北朝鮮に対する圧力と制裁に重きを置いた外交的解決策を放棄するという意味ではないだろう。ソウルを危険に陥れない軍事的選択肢を示唆したマティス国防長官が19日、ペンタゴンで、「私たちは北朝鮮問題が外交的手段を通じて解決されることを希望する」と記者団に説明したことも、軍事的選択肢は最後の選択であることを示す。

トランプ大統領が北朝鮮を「最も重大な脅威」と規定したものの、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「平和的な解決」を強調しており、北朝鮮核問題の解決策をめぐって温度差が感じられる。文大統領は昨日、英国のメイ首相とセネガルのサル大統領と会い、北朝鮮核問題の平和的解決を呼びかけた。大西洋評議会から「2017地球市民賞」を授与された席でも、韓半島の平和を強調した。中国の習近平国家主席の代わりに国連総会に主席した王毅外相が平和的方法で解決しなければならないと主張したこととオーバーラップする。

120ヵ国余りの首脳が一堂に会した国連総会は、韓半島問題の解決策を世界に知らせる良い外交舞台だ。文大統領は、各国首脳に会って、国家の力によって発言が変わる冷厳な国際秩序を目撃したことだろう。米大統領が戦争も辞さないと叫ぶ状況で、北朝鮮核問題の当事者である韓国大統領が「対話と交渉」に執着した場合、同盟国からはどのように見えるかを考える必要がある。米国が軍事的選択肢を掲げるのは、武力行使が排除された制裁は力が明確に落ちるためだろう。

21日に国連総会で演説する文大統領は、米国が直面した脅威に共感し、同盟国らしく韓米協力を強化するメッセージを出すことを望む。続いて開かれる韓米首脳会談と韓米日首脳昼食会合でも、対北政策で声を一つにし、堅固な同盟を確認しなければならない。米国と日本との信頼に基づいた協力態勢を固め、冷徹な現実主義でこの危機を乗り越えなければならない。