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[社説]法務部・改革委の高位公職犯罪捜査処設置案、権限乱用の仕掛けが足りない

[社説]法務部・改革委の高位公職犯罪捜査処設置案、権限乱用の仕掛けが足りない

Posted September. 19, 2017 09:02,   

Updated September. 19, 2017 09:19

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法務部傘下の検察改革委員会(委員長、韓寅燮ソウル大教授)は昨日、捜査対象人数だけで検事50人を含む最大で122人に上る超大型の高位公職犯罪捜査処(捜査処)の設置案をまとめ朴相基(パク・サンギ)法務部長官に提出した。韓委員長は、捜査処の規模について「大きくない」と言ったが、現在国会に提出されている捜査処法案中最も多くの検事数を定めた朴範界(パク・ボムゲ)・李勇周(イ・ヨンジュ)議員の20人を大きく上回っている。最大20人程度を予想していた検察に衝撃が走った。検察出身でない朴長官は改革委員会の提案を最大限に反映し立法を推進する方針だ。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は法務部の業務報告を受ける際、検察と警察の捜査権分離と共に捜査処の推進を最優先課題として指示した。先般の大統領選挙で自由韓国党を除き、全ての候補が公約として掲げていただけに捜査処の導入はほぼ確実とされる。ただし、その規模や権限については合意されていない。改革委の案では高位公職者の同一犯罪について捜査処と検察が同時に捜査を行う場合は捜査処に事件を移管するようにしている。容疑が認められれば直ちに起訴する起訴法廷主義を制限する仕掛けもない。捜査処への管轄移管は検察捜査の流れを妨げる上、捜査処で捜査した後、任意で起訴を猶予することもあるので★検察との対立を産む可能性がある。国会において捜査処の権限乱用を防ぐための緻密な検討が求められる。

捜査処の捜査対象には大統領、首相、長官、国会議員、判事、検事、軍の将官などほぼ全ての高位公職者が網羅されている。起業家を除く社会の要職の名士が含まれる。検察は、捜査処が屋上屋の組織となり、検察は2流の組織に成り下がることを恐れている。しかし、歴代政権では権力から独立した検察捜査ができなかったとの批判の声があった。検察が起訴独占権を握り、「身内に甘い」横柄な捜査の結果、怒りを買ったことも少なくない。現検察の人事も大統領府の息がかかり自主改革に失敗した。捜査処の導入は検察の身から出た錆である。

ただし、捜査処の導入は既存の検察組織と並んで新しい検察を設置することになり兼ねない上、このような事例は海外にもないだけに綿密な検討の上、進めるべきである。改革委の案は捜査処長は推薦委が2名を推薦、一人を大統領が任命するとした。推薦委の構成は法務長官、裁判行政処長、大韓弁護士協会長と国会推薦4名の7名からなる。大統領と与党の息はかかりづらいが、国会の影響は避けられない。あくまでも検察権は議会ではなく、大統領や総理の権限に帰属するものであるという基本を忘れてはなるまい。