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北朝鮮核とTHAADへの対応をめぐり中国内部で論争

北朝鮮核とTHAADへの対応をめぐり中国内部で論争

Posted September. 18, 2017 07:23,   

Updated September. 18, 2017 08:26

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賈慶国・北京大学国際関係学院院長が9日、中国評論通信社とのインタビューで、「北朝鮮が日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射したにもかかわらず、中国外交部は『双中断』(北朝鮮の核・ミサイル挑発と韓米合同軍事演習の同時中止)と「双軌並行」(韓半島の非核化プロセスと米朝平和協定)を(北朝鮮核解決の)突破口と主張している」とし、中国政府の公式立場を強く批判した。そして、「北朝鮮が中国の努力を無視して核開発を加速化しており、米国の先制攻撃につながるか、北朝鮮の政治危機が一触即発の状況を招くだろう」とし、「中国は韓半島の戦争の可能性を認め、米国や韓国と調整を始めて備えなければならない」と強調した。

すると朱志華・浙江省国際関係学会副会長は11日、寄稿文を通じて、「(賈氏の考えは)韓半島の危機の責任が北朝鮮と中国にあるということであり、決して韓半島で戦乱が起きてはならないという中国指導部の戦略的マジノ線とかけ離れ、指導部の戦略的決定をかく乱させている」と反論した。これに対して賈氏は15日、「声が大きければ道理に合っているというわけではない」と題する文で、「北朝鮮の核兵器開発は中国の安保に深刻な脅威であるにもかかわらず、朱先生は北朝鮮を無条件に保護する立場なのか」と問い返した。両学者の攻防が加熱し、一般のネットユーザーまで攻防に加勢している。

北朝鮮の核および高高度迎撃ミサイルシステムの問題をめぐって、中国内の主流の保守学者と開放的な進歩学者の間で意見の相違が露呈したのは昨日今日のことではない。主流の保守学者は、中国の中央政府の公式の立場を支持したが、賈氏をはじめ沈志華・上海華東師範大学教授などは北朝鮮の核開発を非難し、中国政府のTHAAD報復を批判した。中国共産党中央党校の張璉瑰元教授や南京大学の朱鋒教授なども、「THAADで中韓関係が悪影響を受けてはならない」とし、中国政府を暗に批判した。張氏は、「米国の北朝鮮に対する先制攻撃があっても、中国は介入してはならない」とまで主張した。

賈氏は共産党員でなく無党派だが、全国政治協商の常務委員であり中国学界で十指に入る学者で、中国政府も無視できない人物だ。その賈氏の平素の主張を保守学者が反論するよう中国政府が黙認したということはただ事ではない。特に、来月18日に開かれる中国共産党第19回全国代表大会を控えてそうしたのは、中国共産党が第19回党大会後も北朝鮮の核およびTHAADに対する従来の政策の骨子を変えないということだ。

しかし、北朝鮮の核開発が完成に近づくほど、また、米国で北朝鮮に対する先制攻撃の声が高まるほど、中国内の学者間の論争は大きくなるほかない。だからといって北朝鮮の核およびTHAADに対する中国政府の基本政策が変わることは容易でない。習近平主席が「中国の核心利益を侵害する」と何度も強調したうえ、北朝鮮を戦略的資産と考える中国の韓半島戦略が簡単に変わることは難しいためだ。しかし、党大会を控えた学者間の論争は、中国共産党と政府に相当な重荷として作用するほかない。韓国政府がこれを注視して活用する対策を立てなければならない理由だ。