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文大統領は韓米間の亀裂を埋めて「対北包囲外交」を展開せよ

文大統領は韓米間の亀裂を埋めて「対北包囲外交」を展開せよ

Posted September. 05, 2017 08:50,   

Updated September. 05, 2017 09:22

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トランプ米大統領は4日、「北朝鮮と取引するいかなる国ともすべての貿易を中止することを考慮している」と明らかにした。北朝鮮と正常な取引をする第3国に対しても制裁する「二次的制裁」(セカンダリー・サンクション)を予告したのだ。トランプ大統領は、緊急国家安保会議(NSC)を開き、北朝鮮に対する軍事的な選択肢について説明を求めたという。軍服姿の統合参謀本部議長と共に記者団の前に立ったマティス国防長官は、「北朝鮮の全滅を望んでいないが、そうするだけの多くの選択肢がある」と警告した。

北朝鮮の6回目の核実験に米国が経済的・軍事的封鎖を取り上げことは、予告された手順だ。北朝鮮が「大陸間弾道ミサイル(ICBM)装着用水素弾」を爆発させた状況で、米国としては超強力な圧力のほかに選択の余地がない。米国はひとまず、危険の負担が大きな軍事的選択肢よりも、経済制裁の強化に力を入れる構えだ。特に二次的制裁は、北朝鮮の最大貿易国である中国に狙いを定めている。北朝鮮の貿易全体の90%以上を占め、金正恩(キム・ジョンウン)政権の生命の綱を握る中国が、北朝鮮への送油管を遮断しないかぎり、北朝鮮の相次ぐ大型挑発を止めることはできないというのが米国の判断だ。

しかし、中国は動じない様子だ。中国共産党機関紙「人民日報」は、北朝鮮の核実験の事実すら報道せず、系列紙の「環球時報」は、「北朝鮮に対する石油供給の中止と中朝国境地域での国境閉鎖は、中国の国益に合致しないため、中国はこのような政争の先鋒に立ってはならない」と主張した。このような状況で米国が二次的制裁に出れば、中国との全面衝突は免れない。米国が果たして実行に移すかは不透明だ。

米国でもカードがない状況で、韓国政府はなおさらだ。政府は、北朝鮮の核実験直後に開かれた国家安全保障会議(NSC)で、北朝鮮との対話よりも軍事的対立強化の方向で意見をまとめたと、宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官が4日、伝えた。しかし、北朝鮮が挑発する度に繰り返される政府の「強力対応」宣言や軍の武力示威は、今は虚しいだけだ。トランプ大統領は、「北朝鮮に対する融和策は受け入れられないということを韓国が分かってきている」とし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「対話論」に否定的な考えを示した。韓米間の亀裂で、「韓国素通り」(コリア・パッシング)を自ら招いたという批判を受けて来た文大統領の立場は一層弱くなるほかない。

 

だからといって、ただ無力感に陥っていることはできない。このような時ほど北朝鮮に圧力をかけるための国際協力の外交折衝戦に積極的に取り組まなければならない。文大統領は明日、東方経済フォーラムに出席するためにロシアに出国する。ロシアのプーチン大統領と安倍晋三首相に会って、実効性のある対北圧力を引き出さなければならない。今月半ばには、国連訪問を機にトランプ大統領と会う。韓米間の意見の相違を解消し、声を一つにする契機にしなければならない。さらに、中国訪問もこれ以上先送りしてはならない。対北外交の協力の鍵を握る習近平国家主席を説得する外交力を見せなければならない。