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[社説]文大統領が言及した直接民主主義、不正確で憲法の趣旨にも合わない

[社説]文大統領が言及した直接民主主義、不正確で憲法の趣旨にも合わない

Posted August. 22, 2017 09:32,   

Updated August. 22, 2017 09:39

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は20日に開催された国民引き継ぎ委員会の対国民報告会で、「国民は直接民主主義を求めている」と述べた。そして、「もはや国民は主権者として、普段政治を見物だけして選挙の時に一票を行使する間接民主主義では満足できない」とし、「そのように(間接民主主義を)した結果、私たちの政治が落伍し、後れていると考えている」と述べた。さらに、政治が誤った時に直接ろうそく集会に参加したり、ネット上で政治的意思を表明したりして政策を提案することを直接民主主義の例に挙げた。

憲法第1条は、「大韓民国は民主共和国である。大韓民国の主権は国民にあり、すべての権力は国民から出てくる」と規定した。このように国民主権を明らかにしたが、主権行使の方式は国会・大統領を通じた代議民主主義、間接民主主義を採択した。むろん直接民主主義的な要素もある。憲法改正案や国家の安危に関わる重要政策に対する国民投票が代表的だ。民主主義は、古代直接民主主義から出て、国家規模が直接民主主義が行えないほど大きく複雑になった現代も、最も重要な懸案は国民に直接尋ねて決める。しかし、文大統領が言及したろうそく集会は、憲法が保障した集会の自由を行使したものであって直接民主主義とは関係がない。

ベネズエラのような国は、大統領を国民投票で解任させる国民リコール制を設けている。韓国にも国民リコール制がある。朴槿恵(パク・クンへ)前大統領の弾劾に対する賛否投票をしたとすれば、正確な国民の意思を確認できただろう。しかし、このような直接民主主義の方式は大きな混乱とコストを伴うため、韓国憲法はその代わりに国会と憲法裁判所による弾劾手続きを踏むようにした。朴前大統領の弾劾は、間接民主主義の方式による「秩序正しい弾劾」だった。

ネット上のコメントを通じて政治的意志を表現し、政府のホームページに政策を提案することも憲法が保障した表現の自由の行使であって直接民主主義とは関係がない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の時に流行した参加民主主義という表現は使えるだろう。しかし、国家の意志を導き出す過程に国民が参加する参加民主主義は、国民が国家意志を直接決める直接民主主義とは異なる。

文大統領が、国民の要求だと言及した直接民主主義は本来の概念にも合わず、韓国の憲法の趣旨にも外れる。韓国政治が後れているのは、間接民主主義である代議制のためではなく、その精神を生かすことができなかった国会議員と帝王的大統領の責任が大きい。特に、代議機関である国会を軽視することになっては困る。野党が一斉に批判するのは無理もない。おそらく国民と意思疎通することを強調して出た表現だろうが、それが「国会迂回」の方便になってはならない。