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北朝鮮「グアム攻撃」VSトランプ氏「炎と怒り」…北朝鮮が「ゲームチェンジャー」になるのを阻止せよ

北朝鮮「グアム攻撃」VSトランプ氏「炎と怒り」…北朝鮮が「ゲームチェンジャー」になるのを阻止せよ

Posted August. 10, 2017 09:29,   

Updated August. 10, 2017 09:34

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米国防総省の国防情報局(DIA)が先月、機密報告書で、「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル発射を含め核兵器を開発し、ICBMに搭載する核弾頭小型化に成功したものと見られる」と、米紙ワシントン・ポストが8日付で報じた。トランプ大統領が報道直後、「これまで世界が見たこともないような炎と怒りに直面することになるだろう」と核攻撃の可能性まで示唆すると、北朝鮮は「中長距離戦略弾道ミサイル『火星(ファソン)12』でグアム周辺の包囲射撃のための作戦を検討している」と応酬した。

平素から荒っぽい口調だが、トランプ大統領が直接戦争の可能性まで示唆したことは初めてであり、北朝鮮が米国内の攻撃地点を名指したのも初めて。グアムは、米国が有事の際、韓半島に展開する長距離戦略爆撃機をはじめ戦略兵器の発進基地であり、北朝鮮には邪魔な場所だ。トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が言い合ったからといって直ちに韓半島が戦争の惨禍に突入するわけではない。戦争が起こる時は、韓国内の米国人の撤収をはじめいくつかの明確な兆候があるが、それほどの状況ではない。大統領府関係者も9日、「韓半島危機説に同意しない」と断言した。

しかし、予測不可能な2人の指導者が、威嚇の程度を高め、韓半島だけでなく北東アジアを緊張の坩堝に追い込んでいることは明らかだ。北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したというワシントン・ポストの報道が合っているなら、北朝鮮が核保有国の軌道に進入したことを米国が認めたも同然だ。日本も8日、2017年版防衛白書で、「北朝鮮が5回の核実験を通じて核弾頭の小型化に達した可能性がある」と指摘した。核弾頭小型化の成功は、北朝鮮が、ICBMの大気圏の再突入技術を確保すればいつでも米本土を攻撃する能力を持つことになることを意味する。この場合、北朝鮮は北東アジアの安保秩序の局面を破壊する「ゲームチェンジャー」になりかねない。

韓国と日本は、北朝鮮の攻撃を受ければ、米国が核で北朝鮮に報復するという信頼がある。いわゆる米国の拡大抑止力だ。しかし、米本土が脅威を受ける状況では、米国が北朝鮮への核使用に及び腰になるのは明らかだ。米国の拡大抑止力に対する信頼が崩れれば、北東アジアで韓米同盟、日米韓三角同盟は弱まる。日韓は自らの核武装カードを考慮しないわけにはいかず、相対的に中国の影響力が強まるだろう。北朝鮮が狙うのはまさにこの点だ。

米国内の強硬派が口にする「韓半島戦争」は、韓国の莫大な民間人犠牲を前提とする。だからといっていつまでも金委員長の恐喝に言いなりになることもできない。DIAは、北朝鮮が早ければ来年にも小型化した核弾頭をICBMに装着し、米本土を実戦攻撃する能力を保有すると判断した。時間は多くない。韓米両国と国際社会は、金委員長が政権の安全と危機に脅威を感じるほどの強力な圧力で「核妄想」を抱かせないようにしなければならない。必要なら金正恩政権の「レジームチェンジ」も検討しなければならない。緊密な韓米同盟を基に、戦術核の再配備や原子力潜水艦の建造など自らを守る戦略兵器を確保することにも力を入れなければならない。