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江南駅殺人事件から1年

Posted May. 18, 2017 08:34,   

Updated May. 18, 2017 08:35

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17日は、23歳の女性が未明にソウル江南(カンナム)駅付近のカラオケ店の男女共用トイレで殺害されてから1年になる日だった。この1年間、江南駅殺人事件の意味をめぐって、2つの規定が対立した。一方は「統合失調症(精神分裂症)患者の通り魔犯罪」と規定し、もう一方は「女性嫌悪犯罪」と規定した。捜査と裁判では統合失調症患者の犯罪と結論が出たが、女性団体を中心に女性嫌悪犯罪という見方も根強く存在した。

◆女性嫌悪犯罪という見方は、犯人が逮捕された直後、「女たちが私を無視したので犯行に及んだ」と言ったことで始まった。女性たちは、「そこに『自分』がいなかっただけで、女性なら誰にでも起こり得ること」という恐怖を前にして共感を形成し、江南駅に追悼のポストイットをはりつけた。ここまでは自然だ。しかし、すぐに犯人が統合失調症患者であることが明らかになったにもかかわらず、女性嫌悪の主張が続き、1年という時間が経っても静まらないのは予想外だ。

◆女性は弱者で、弱者の利益を代弁する論理に反論を慎むムードがある。江南駅殺人事件の原因が何であれ、女性嫌悪について考える契機になったと考えれば十分だ。原因が統合失調症であっても、その発現が女性嫌悪で現れたのは、社会に誤った構造化された女性認識が影響を及ぼしたのかも知れない。しかし、女性嫌悪にこだわるレベルを越えて、統合失調症患者の犯罪と見る視角を反動とし、捜査と裁判の結果を批判する転倒も起こった。

◆街頭を往来する人々の前で「女性嫌悪反対」というプラカードを持ったからといって、江南駅殺人事件を阻止できるわけではない。社会的衝撃を与えた統合失調症患者の殺人事件が最近また発生した。先月、統合失調症の17歳の少女が、特に理由もなく8歳の女児を残酷にも殺害した。統合失調症患者の管理は、一方では社会を統合失調症患者の犯罪から守らなければならず、もう一方では統合失調症患者の人権を考えなければならない難しい宿題だ。社会が関心を持って対策を立てなければならない状況で、これ以上焦点をぼかすことは止めよう。