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「ニュース文盲」から脱出するためには

Posted March. 22, 2017 08:31,   

Updated March. 22, 2017 08:32

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「ひたすら、義人は信仰によって生きる」。ローマカトリックの司祭だったマルティン・ルターが、「聖なる階段」を膝歩きで登る途中に吐き出したという聖書の一節だ。イエスが直接上ったというこの28階段は、エルサレムにあったものを解体して、ローマのラテラノ大聖堂に設置した。この階段を登ると、煉獄での刑罰が軽くなると、中世の教会では教えた。ルターは、ここで宗教改革のインスピレーションを得て、1517年、「95か条の論題」を打ち出した。

◆ルターは、迫害を避けて隠れていながら、ラテン語の新約聖書をドイツ語に翻訳した。ドイツ語の聖書は、ヨハネス・グーテンベルクが革新させた活版印刷術のおかげで広がった。福音(GOOD NEWS)が誰にでも伝わったのだ。権力者たちは、新しい情報、すなわち、ニュースを独占しようとする。ニュースの拡散が権力を危険にさらすからだ。ナポレオン1世は、1800~1807年、73種類だったパリの新聞を4種類に絞りながらこう語ったという。「敵対的新聞4つが、銃剣10000個よりも怖い」。

◆米紙ニューヨークタイムズの「大学生の新聞購読後援運動」参加者たちが、先月3日から1ヶ月余りで出した寄付金が、390万ドル(約44億ウォン)に達した。大学生130万人が1年間、同紙の電子版を読める金額だ。印刷革命とは比較にならないほど、膨大な波及力を持つデジタル革命の中で、偽のニュースに対抗しようとはジェスチャーだ。嘘を、「代案的事実」(alternative facts)と包装までするトランプ大統領側の攻勢も真実守護の意志を強化させただろう。

◆文章を読むだけでなく、理解し、書くことができてこそ文盲ではない。これを文解(Literacy)という。 「ニュースリテラシー(News Literacy)」も同じだ。主張や噂と、検証された事実とを区別してこそ、ニュースの文盲から脱することができる。ソーシャルネットワークサービス(SNS)とモバイルとが結合して、ありとあらゆるニュースが24時間あふれる今ほど、ニュース文盲脱出が切迫した時などなかった。最も肝要なのは、「批判的思考能力」だ。前例のない今回の早期大統領選挙は、逆説的に批判的思考の筋肉を育てる良いチャンスでもある。